公開日:2026年9月24日
事務の募集は応募が集まりやすく、書類だけで多くがふるいにかけられます。差がつくのは文章の巧みさではなく、具体性です。とくにパソコンのスキルは、書き方ひとつで伝わる量がまるで変わります。
事務の応募で差がつくのは、具体性です
事務は、人気の高い職種です。募集1件に対して応募が集まりやすく、書類の段階で絞られることを前提に考えたほうがいい職種でもあります。
そこで見られているのは、文章のうまさではありません。「入社してすぐ、どの作業を任せられるか」です。この一点が読み取れる書類は、応募が多くても残ります。
書き始める前に、募集要項から3つ拾います
事務の募集は、書かれている業務の並びに優先順位が表れます。先頭に書かれている業務が、その職場でいちばん人手が要る作業です。
| 拾うもの | 書類のどこに効くか |
|---|---|
| 業務の並び(先頭の2つ) | 職歴欄で先に書く経験 |
| 必須の資格・ソフト | 免許・資格欄、パソコンのスキル |
| 配属される部署・人数 | 志望動機、自己PRで書く規模感 |
「Excelでの集計」が先頭にある募集に、Excelの記載がない書類を出すと、それだけで候補から外れます。持っている材料のうち、募集要項に近いものから並べ直してください。
まず、どの事務かを確かめます
ひとくちに事務といっても、任される内容はかなり違います。応募先がどの事務なのかを読み取ってから、書く材料を選んでください。
| 種類 | 主な業務 | 書類で効くもの |
|---|---|---|
| 一般事務 | 書類作成、電話・来客対応、庶務 | 正確さ、対応件数、使えるソフト |
| 営業事務 | 受発注、見積、納期の調整 | 処理件数、扱った商材、社内外の調整 |
| 経理事務 | 仕訳、伝票、請求、月次 | 簿記、扱った会計ソフト、締めの経験 |
| 人事・総務 | 勤怠、入退社手続き、備品 | 人数規模、社会保険の手続き経験 |
| 医療事務 | 受付、会計、診療報酬請求 | レセプトの経験、扱ったシステム |
| 貿易事務 | 通関書類、船積、英文メール | 語学、扱った地域、書類の種類 |
パソコンのスキルは、使える機能まで書きます
「パソコン操作可能」「Excelが使えます」と書いても、読む側には程度が分かりません。何ができるかまで書いてください。ここが、事務の応募でいちばん差がつく場所です。
| 避けたい書き方 | 伝わる書き方 |
|---|---|
| Excelが使えます | Excel:関数(VLOOKUP、IF、SUMIF)とピボットテーブルによる集計が可能 |
| Wordが使えます | Word:定型文書の作成、差し込み印刷、表組みの作成が可能 |
| PowerPointが使えます | PowerPoint:既存の様式に沿った資料作成が可能 |
| パソコン操作可能 | タイピング:1分あたり100文字程度 |
できないことは書きません
マクロを組んだことがないのに「マクロ可」と書くと、入社後に困るのは自分です。できる範囲を正直に書いてください。事務では、できることの申告がそのまま任される範囲になります。
どの欄に書くか
免許・資格欄に書ける様式なら、そこに続けて書きます。行が足りない場合は、志望動機やアピールポイントの欄に、一行でまとめてください。職務経歴書があるなら、そちらに一覧で書くほうが読みやすくなります。
社内システムの経験
会計ソフト、販売管理、勤怠管理、顧客管理のシステムを使っていたなら、製品名まで書いてください。同じものを使っている会社であれば、それだけで即戦力になります。
経験は、数字で書きます
事務の仕事は、外から見えにくいものです。件数、人数、金額、頻度のいずれかで書くと、任せられる量が伝わります。
「受発注業務」ではなく「1日あたり50件程度の受発注処理」、「電話対応」ではなく「1日20件程度の電話対応(社外7割)」と書きます。担当していた社数、扱っていた部署の人数、月次の締めにかかっていた日数も、そのまま材料になります。
正確さを示す材料
事務でいちばん求められるのは、間違えないことです。ダブルチェックの手順を作った、入力の誤りを減らす様式に変えた、といった経験があれば書いてください。「ミスがありません」と書くより、何をしていたかを書くほうが伝わります。
職歴欄は、事務に近い作業から並べます
職歴欄に書けるのは、在籍した会社と期間、そして担当した業務です。行数が限られているので、応募先の事務に近い作業から先に書いてください。行の数え方は学歴・職歴欄の書き方で解説しています。
職種名だけで終わらせない
「営業職として勤務」だけでは、事務の応募には材料になりません。「営業職として勤務。見積書・請求書の作成と、顧客データの管理を担当」のように、書類と数字を扱った部分を添えてください。
在籍期間が短い会社も書きます
数か月であっても、在籍していれば職歴です。省くと、記録との照合で食い違います。行が足りなければ、業務の説明のほうを削ってください。
派遣や契約社員での経験
事務は、派遣や契約での就業が多い職種です。雇用の形は省かず、「派遣社員として」「契約社員として」と書いてください。省いて正社員に見せかけると、確認の段階で必ず分かります。就業先が複数ある場合は、職種でまとめ直すと、通算の経験年数が伝わります。
職務経歴書があるとき
職務経歴書を出すなら、履歴書の職歴欄は在籍と期間だけで構いません。同じ内容を2枚に書くと、どちらかを直したときに食い違いが生まれます。役割を分けてください。
資格は正式名称で書きます
| よく書かれる資格 | 正式名称での書き方 |
|---|---|
| 簿記 | 日商簿記検定試験2級 合格 |
| MOS | マイクロソフト オフィス スペシャリスト(Excel) 取得 |
| 秘書検定 | 秘書技能検定2級 合格 |
| ITパスポート | ITパスポート試験 合格 |
| 英語 | TOEIC公開テスト XXX点(20XX年X月) |
| 運転免許 | 普通自動車第一種運転免許 取得 |
級とスコアは必ず添えます
「簿記 合格」だけでは、何級か分かりません。級・スコア・受験した年月をそろえて書いてください。語学のスコアは、取得から年数が経っていると現在の力と見なされないことがあるので、年月を添えます。
勉強中のもの
受験を予定している資格は、「20XX年X月 日商簿記検定試験2級 受験予定」と書けます。事務の応募では、学び続けている姿勢そのものが材料になります。書く順番と正式名称の調べ方は免許・資格欄の書き方で解説しています。
未経験から応募するとき
事務未経験でも、応募できる募集はあります。「未経験です」と書き添える必要はありません。代わりに、これまでの仕事から事務につながる部分を拾ってください。
拾える経験
| 前職 | 事務につながるもの |
|---|---|
| 販売・接客 | レジ締め、在庫の管理、発注、シフト表の作成 |
| 営業 | 見積・請求書の作成、顧客情報の管理 |
| 製造 | 作業日報、数量の記録、検査表の記入 |
| 介護・医療 | 記録の作成、レセプトや請求の補助 |
| コールセンター | 入力の速さ、応対記録、システムの操作 |
どの仕事にも、書類を作る作業と、数字を扱う作業が含まれています。そこだけを取り出して書いてください。
ブランクがある場合
事務は、使うソフトも社内の手続きも数年で変わります。離れていた期間があるなら、その間に触れていたものを書いてください。家庭で家計簿を表計算ソフトで付けていた、地域の会計を担当していた、といったことでも材料になります。
職業訓練や講座を受けていたなら、そのまま書けます。「20XX年X月 職業訓練(事務職向けパソコン科)修了」のように、期間と内容が分かる形にしてください。
志望動機は、事務を選んだ理由から書きます
事務の志望動機でよくあるのが、「人と接するのが苦手なので事務を希望します」という書き方です。事務も、社内外の人とやり取りする仕事です。この書き方は、仕事の中身を知らないように読まれます。書けない原因の切り分けは履歴書の志望動機の書き方で解説しています。
書く順番
事務を選んだ理由、その会社を選んだ理由、入社後にできること。この3つを順に書けば、形になります。1つ目だけで終わると、どこにでも出せる文章になります。
会社を選んだ理由
事業の内容、扱っている商品、規模、地域のいずれかに触れてください。会社の沿革を写しただけの文章は、読めば分かります。自分の経験と結び付いている部分を書いてください。
自己PRは、作業の中身で書きます
事務の自己PRでよく使われるのが、「几帳面」「責任感がある」「コツコツ続けられる」という言葉です。どれも読む側には確かめようがありません。そう言える根拠になった作業を書いてください。欄の役割は履歴書の自己PRの書き方で解説しています。
正確さを書くとき
「入力の誤りを減らすために、入力後に別の資料と突き合わせる手順を作った」のように、何をしていたかを書きます。結果として何が変わったかまで書ければ、それが評価の材料になります。
段取りを書くとき
締め切りが重なる時期にどう順番を決めていたか、割り込みの依頼をどう扱っていたか。事務の仕事は、この段取りの部分に差が出ます。件数と期限を添えて書いてください。
人と関わる部分を書くとき
事務は社内の窓口になる仕事です。他の部署や取引先とのやり取りをしていたなら、その相手と件数を書いてください。「人と接するのが苦手」と書くより、実際にしてきたことのほうが強い材料になります。
本人希望記入欄
空欄にせず、「貴社の規定に従います」の一文は入れてください。勤務時間や勤務地に条件があるなら、そこだけを書きます。時短勤務を希望する場合や、扶養の範囲で働きたい場合は、先に書いておくほうが話が早く進みます。
「事務職希望」と書くだけにしない
本人希望記入欄に「事務職を希望します」とだけ書く方がいますが、応募している職種は募集要項から明らかです。この欄に書くのは、勤務時間・勤務地・入社できる時期といった、選考を進めるうえで先に知らせておきたい条件です。欄そのものの書き方は本人希望記入欄の書き方で解説しています。
証明写真
事務の応募では、落ち着いた印象のものが向きます。服装はスーツ、髪は顔にかからないように。写真は書類の中で最初に目に入る部分なので、数年前のものを使い回さず、撮り直してください。使い回せる条件は証明写真の使い回しで解説しています。
よくある書き方の誤り
| 誤り | どう読まれるか | 直し方 |
|---|---|---|
| 「Excelが使えます」だけ | 程度が分からない | 使える関数・機能を書く |
| 「パソコン操作可能」 | 何もしていないのと同じ | ソフト名と作業内容を書く |
| 「人と接するのが苦手」 | 仕事の中身を知らないと読まれる | 事務を選んだ理由を別に書く |
| 職種名だけの職歴 | 事務につながる材料が見えない | 書類と数字を扱った部分を添える |
| 資格の級を書かない | どの水準か分からない | 級・スコアと受験年月を書く |
| 志望動機が会社の説明だけ | どこにでも出せる文章に見える | 自分の経験と結び付ける |
Rirekisyで作る場合
Rirekisyの免許・資格欄は、名称と取得年月を組にして、行を追加しながら入力する形です。名称は自由に入力できるので、「日商簿記検定試験2級 合格」のように、級と合否まで含めて書けます。パソコンのスキルを続けて書くこともできます。
履歴書と職務経歴書は同じ画面で切り替えて作成でき、基本情報や学歴・職歴といった共通の項目は引き継がれます。事務の応募は職務経歴書を求められることが多いので、2枚を同じ内容から作れると、年月の食い違いが起きません。
志望動機の欄には「AIで作成」があります。ただし出てくるのは下書きです。応募先の会社名も、あなたが担当してきた業務も知らない状態で書かれた文章なので、そのまま出さず、自分の言葉に置き換えてから使ってください。
よくある質問
Q. パソコンのスキルは、どの程度まで書けばよいですか
実際に業務で使ったことのある機能までです。名前を知っているだけの機能は書かないでください。
Q. タイピングの速さは書いたほうがよいですか
速さに自信があるなら書いてください。入力の量が多い職場では材料になります。
Q. 簿記3級でも書く意味はありますか
あります。経理の用語が通じることが伝わります。級を添えて書いてください。
Q. 事務未経験ですが、志望動機に「未経験ですが」と書くべきですか
書かないでください。職歴欄を見れば分かります。できることを書いてください。
Q. 前職が接客業です。事務に移れますか
移った例は多くあります。レジ締めや在庫管理など、数字と書類を扱った経験を拾って書いてください。
Q. 資格が何もありません
資格欄は「なし」で構いません。使えるソフトと、業務で扱った件数を書いてください。
Q. 職務経歴書は必要ですか
中途採用ではほぼ必要です。募集要項に記載がなくても、用意しておくほうが確実です。
Q. 「几帳面です」と書いてもよいですか
性格の説明だけでは確かめようがありません。そう言える根拠になる作業を書いてください。
Q. 時短勤務を希望しています
本人希望記入欄に書いてください。条件が合わないまま進むと、双方の時間が無駄になります。
Q. 応募が多い職種と聞きました。何を変えれば通りますか
できる作業を具体的に書くことです。ソフトの機能名、処理件数、扱った書類の種類を入れてください。