公開日:2026年10月29日
空白の期間を詰めたい、すぐ辞めた会社を消したい、中退を卒業にしたい。履歴書を書いていると、少しだけ事実を動かしたくなる場面があります。けれども、偽ることと、書かずにおくことは別のことです。書かなくてよいことは、はじめから書く必要がありません。
結論:偽った事実は見つかりやすく、書かなくてよいことは書かなくてよい
履歴書に書いた年月・学歴・職歴・資格を偽ることは、経歴の詐称です。入社の手続きで出す書類と突き合わせたときに、食い違いが見つかることがあります。
一方で、履歴書には書かなくてよいこともたくさんあります。書かなくてよいことを書かないのは、嘘ではありません。多くの人が迷っているのは、「偽ること」と「書かずにおくこと」の線引きです。
偽ってはいけないこと/書かなくてよいこと
| 偽ってはいけないこと | 書かなくてよいこと |
|---|---|
| 入学・卒業、入社・退職の年月 | 数日で終わった単発・日雇いの仕事 |
| 卒業したか、中途退学したか | 正社員に応募するときのアルバイト経験(応募先の仕事に近いものは書く) |
| 正社員・契約社員として入社した会社(在籍が短くても) | 退職理由のくわしい中身 |
| 免許・資格を持っているかと、取得した年月 | 病名や、治療の中身 |
| 雇用の形(正社員か、アルバイトか) | 交通違反の反則金 |
| 賞罰欄がある様式での、確定した刑罰 | 様式に欄がない事柄(家族の事情など) |
左の列は、ほかの記録と照らし合わせられる事実です。右の列は、履歴書に書く決まりがないか、書くかどうかを選べることです。
偽った事実が見つかるきっかけ
入社の手続きの書類
入社するときには、雇用保険や年金の手続きのために、前の勤め先にかかわる書類を出します。年の途中で入社する場合は、前の会社の源泉徴収票も出します。源泉徴収票には、前の会社の名前と、辞めた日が書かれています。
こうした書類と履歴書を見比べたときに、退職した年月や在籍した会社が食い違っていると、そこで分かります。
証明書の提出
学歴や資格は、卒業証明書や、免許証・合格証の写しを求められることがあります。運転や資格が欠かせない仕事では、入社の前に確かめるのがふつうです。
面接での質問
書類の上では整っていても、面接でくわしく聞かれると話が続かなくなります。「その会社ではどんな仕事を」「なぜその時期に」と聞かれたとき、作った経歴には答えの材料がありません。
見つかったときに起きること
- 選考中・内定後:内定を取り消されることがあります。
- 入社後:経歴の詐称を懲戒の理由に挙げている会社が多くあります。何年か働いたあとでも、見つかれば問題になります。
何より、一度見つかると、ほかの欄に書いたことも信じてもらえなくなります。失うのは、その1行ではなく、履歴書全体の信用です。
迷いやすい場面
空白の期間を、年月をずらして詰める
偽ることになります。退職した年月を後ろにずらす、入社した年月を前にずらすと、記録と食い違います。空白の期間は、理由を1行添えて、そのまま書きます。書き方は空白期間の書き方で解説しています。
すぐに辞めた会社を消す
正社員や契約社員として入社した会社は、在籍が1か月でも書きます。消すと、雇用保険などの記録と食い違います。アルバイトは応募先に合わせて選べますが、正社員の在籍は選べません。短い期間の仕事の扱いは、短期アルバイト・すぐ辞めた会社の職歴で解説しています。
中途退学を卒業にする
偽ることになります。中途退学は、入学の行を書いたうえで「中途退学」と書きます。最終学歴は、卒業した学校のうちいちばん上のもので数えます。
仕事の中身を大きく書く
「店舗運営を統括」のように、実際より大きな言葉を使っても、記録とは食い違いません。けれども、面接で中身を聞かれたときに説明できなくなります。書いたことは、全部面接で聞かれてもよいことだけにしてください。
書き間違いと嘘は違います
うっかり年月を書き間違えたのは、嘘ではありません。ただし、読む側からは区別がつかないので、気づいたら直します。
提出したあとで、連絡先の間違いのように選考に差し支える誤りに気づいたら、応募先に連絡します。年月の小さな誤りなら、面接で聞かれたときに訂正すれば足ります。
年月の書き間違いを防ぐには、書く前に記録で確かめます。
- 職歴の年月:手元の源泉徴収票や雇用保険の書類、年金の加入記録(ねんきんネット)で、勤め先と期間を確かめられます。
- 学歴の年月:生年月日から計算できます。計算のしかたは、西暦と和暦の書き方で解説しています。
面接で聞かれて、答えたくないとき
履歴書に書かなかったことを面接で聞かれた場合、偽らずに、話せる範囲で答えます。病気の中身のように話したくないことは、「療養のためです。今は働くうえで問題ありません」のように、くわしく話さずに済ませて構いません。言わないことと、違うことを言うことは別です。
Rirekisyで作る場合
Rirekisyは、入力した年月をそのまま帳票に出します。年月を確かめずに入れると、そのまま書類に残るので、入力の前に記録で確かめてください。
学歴は、学歴の入力画面から入学・卒業の年を生年月日から計算できます。早生まれ(1月1日〜4月1日生まれ)も計算に入っています。浪人や留年があった場合は、「在籍年数・空白期間(浪人など)を個別に指定する」にチェックを入れて、実際の年数に合わせてください。
職歴は、会社ごとに入社と退社の年月を入力します。雇用の形は「職歴の書き方」で「入社(アルバイト)」「入社(パート)」などを選べます。
よくある質問
Q. 前の会社に、在籍していたかを問い合わせられますか
応募先が前の会社に問い合わせることはあります。ただ、問い合わせがなくても、入社の手続きの書類で食い違いは見つかります。問い合わせがあるかどうかで判断しないでください。
Q. 何年も前の短いアルバイトを書き忘れました
アルバイトは、応募先に合わせて選んで書けます。書かなかったことは嘘にはあたりません。
Q. 資格の取得年月が分かりません
推測で書かず、合格証や免許証で確かめてください。免許証には取得した日が書かれています。確かめる方法は、免許・資格欄の書き方で解説しています。