公開日:2026年9月7日

履歴書でいちばん手が止まるのが学歴・職歴欄です。理由ははっきりしていて、この欄だけ「行数が決まっている」からです。書き始めてから足りないと気づいても戻れません。この記事では、書き始める場所の決め方と行数の数え方を先に押さえたうえで、ケース別の書き方を確認していきます。
先に行数を数えると、あとで詰まりません
学歴・職歴欄は、多くの様式で十数行しかありません。1つの学校・1つの会社につき2行を使うのが基本なので、書く前に必要な行数を出しておくと破綻しません。ほかの欄も含めた全体の書き方は履歴書の書き方で解説しています。
| 入るもの | 行数 |
|---|---|
| 「学歴」の見出し行 | 1行 |
| 学校1つ(入学+卒業) | 2行 |
| 「職歴」の見出し行 | 1行 |
| 会社1社(入社+退社) | 2行 |
| 会社の業務内容を添える場合 | 1社につき+1行 |
| 最後の「以上」 | 1行 |
たとえば高校・大学の2校、会社3社(うち1社は在職中)で業務内容も書くなら、1+4+1+6+3+1で16行です。手元の様式が14行なら、業務内容を削るか、職歴欄の大きい様式に変えるという判断がこの時点でできます。
学歴:どこから書き始めるか
小学校から書く必要はありません。最終学歴の1つ前の学校からと覚えます。
| 最終学歴 | 書き始め |
|---|---|
| 大学院 | 高等学校の入学から(大学・大学院と続ける) |
| 大学・短大・専門学校 | 高等学校の入学から |
| 高等学校 | 中学校の卒業から |
| 中学校 | 中学校の入学から |
中学校卒業から書き始める場合、入学の行は不要です。義務教育なので入学年は自明だからです。
学歴:書き方の基本ルール
学校名は正式名称で
- 「〇〇高校」→「〇〇高等学校」
- 公立校は設置者から書きます。「都立〇〇高等学校」ではなく「東京都立〇〇高等学校」、「〇〇県立」「〇〇市立」も同じです。
- 私立の場合、法人名まで書く必要はありません。学校名だけで構いません。
- 学部・学科・コース名も省略しません。「〇〇大学 経済学部 経済学科」まで書きます。
- 大学院は「〇〇大学大学院 〇〇研究科 〇〇専攻」とし、終わりは「卒業」ではなく「修了」です。
記入例
学歴 2017年4月 神奈川県立〇〇高等学校 普通科 入学 2020年3月 神奈川県立〇〇高等学校 普通科 卒業 2020年4月 〇〇大学 経済学部 経済学科 入学 2024年3月 〇〇大学 経済学部 経済学科 卒業
年号は1枚で統一します
西暦と和暦のどちらでも構いませんが、生年月日から職歴の最後まで、1枚のなかで揃えます。職務経歴書も出す場合は、2枚のあいだでも揃えてください。混ざっていると、読み手が年数を暗算しながら読むことになります。和暦と西暦の換算や早生まれの卒業年は西暦と和暦の書き方で確認できます。
学歴:ケース別の書き方
在学中(卒業前)
最後の行を「卒業見込み」とします。
2027年3月 〇〇大学 商学部 商学科 卒業見込み
「在学中」でも意味は通りますが、新卒の応募では「卒業見込み」が一般的です。新卒の履歴書で迷いやすい点は新卒の履歴書で解説しています。
中途退学
入学の行を書いたうえで、退学した年月に「中途退学」と書きます。書かないという選択はありません。在籍の事実は卒業証明などで確認されることがあり、隠すと経歴詐称になります。
2020年4月 〇〇大学 文学部 史学科 入学 2022年3月 〇〇大学 文学部 史学科 中途退学
理由を短く添えると、読み手が余計な推測をせずに済みます。「経済的事情により中途退学」「家庭の事情により中途退学」のように1行で十分です。書きたくなければ書かなくても構いません。
浪人・留年
書きません。入学年と卒業年を見れば分かることなので、あえて説明を足す必要はありません。面接で聞かれたら答えれば足ります。
休学
短期間なら書かなくて構いません。1年以上あって卒業年が大きくずれている場合は、1行添えると読み手が迷いません。「留学のため1年間休学」のように、事実を短く書きます。
編入・転校
それぞれの入学(転入・編入)と卒業の年月を書きます。
2020年4月 〇〇短期大学 〇〇学科 入学 2022年3月 〇〇短期大学 〇〇学科 卒業 2022年4月 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 編入学 2024年3月 〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 卒業
海外の学校
学校名は現地の表記か、日本語で通じる表記のどちらかに統一します。国名を添えると分かりやすくなります。「〇〇University(アメリカ合衆国)」のような書き方です。
職歴:書き方の基本ルール
入社と退社で2行
学歴の最後の行から1行空け、中央に「職歴」と書いてから始めます。
職歴 2024年4月 株式会社〇〇商事 入社 営業部にて法人向け新規開拓を担当 2026年3月 一身上の都合により退社
会社名は正式名称で
- 「(株)」「(有)」と略さず、「株式会社」「有限会社」と書きます。
- 前株(株式会社〇〇)と後株(〇〇株式会社)を取り違えないよう確認してください。
- 在籍中に社名が変わった場合は、退社時点の社名を書き、必要なら「(旧社名:〇〇株式会社)」と添えます。
業務内容は1行で
入社の行の下に、部署名と担当業務を1行で書きます。詳しい内容は職務経歴書に書くので、履歴書ではどこで何をしていたかが分かる程度で十分です。行数が足りないときは、真っ先に削ってよい部分です。業務内容の詳しい書き方は職務経歴書の書き方で解説しています。
退社の書き方
| 状況 | 書き方 |
|---|---|
| 自分の意思で辞めた | 一身上の都合により退社 |
| 会社の都合(倒産・整理など) | 会社都合により退社 |
| 契約期間の満了 | 契約期間満了により退社 |
| いま在籍している | 現在に至る |
退職理由を詳しく書く必要はありません。履歴書では上の一文で足ります。事情の説明は面接か職務経歴書で行います。
最後に右寄せで「以上」
職歴の最後の行の次に、右寄せで「以上」と書きます。在職中の場合は「現在に至る」の次の行です。書き忘れが多い1行なので、提出前に確認してください。
職歴:ケース別の書き方
職歴がない
「職歴」の見出し行の次に「なし」と書き、その次の行に右寄せで「以上」と書きます。空欄にはしません。
職歴 なし 以上
アルバイト経験しかない
正社員の応募では、原則として職歴欄には書きません。ただし応募先の仕事と関係が深い経験であれば書いて構いません。その場合は「アルバイト」と分かるように書きます。
2022年4月 株式会社〇〇(アルバイト) 入社 店舗にて接客および在庫管理を担当 2024年3月 一身上の都合により退社
派遣社員
雇用主は派遣元です。派遣元の会社名を書き、その下に就業先を添えます。就業先が多い場合は、主なものだけに絞ります。
2022年4月 株式会社〇〇スタッフ 登録 派遣社員として〇〇株式会社にて営業事務に従事 2024年3月 契約期間満了により終了
同じ会社での異動・昇進
入社と退社のあいだに1行足します。行数に余裕があるときだけで構いません。
2020年4月 株式会社〇〇 入社 営業部にて法人営業を担当 2023年4月 人事部へ異動、採用業務を担当 2026年3月 一身上の都合により退社
転職回数が多い
すべて書きます。省略すると経歴詐称になります。行数が足りない場合は、次の順で削ります。
- 業務内容の行を削り、社名と入退社の年月だけにする
- それでも入らなければ、職歴欄が大きい様式に変える
- 短期間の在籍が続く場合、履歴書では事実だけを並べ、事情の説明は職務経歴書に書く
短期間で辞めた会社がある
在籍が数か月でも書きます。書かないと、社会保険の記録との食い違いで後から分かります。理由を書く義務はありません。触れられたときに答えられるよう、説明を用意しておくほうが実務的です。
学歴欄でよくある間違い
学校名を略す
いちばん多い間違いです。「〇〇高校」「〇〇大」「〇〇短大」はすべて略称です。「〇〇高等学校」「〇〇大学」「〇〇短期大学」と書きます。学校名が長くて1行に入らない場合は、文字を少し小さくして収めます。
設置者を書かない
公立校は「東京都立」「神奈川県立」「〇〇市立」まで書きます。同じ名前の学校が全国にあるためです。国立大学の場合は「〇〇大学」で構いません。
「卒業」と「修了」を取り違える
| 学校 | 終わりの書き方 |
|---|---|
| 中学校・高等学校・大学・短期大学 | 卒業 |
| 大学院(修士・博士) | 修了 |
| 専門学校 | 卒業 |
| 各種学校・職業訓練校 | 修了(学校により卒業) |
大学院を「卒業」と書くのは間違いです。「〇〇大学大学院 〇〇研究科 〇〇専攻 修了」と書きます。
在学中の書き方が揃っていない
新卒の応募では「卒業見込み」が一般的です。「在学中」と書いても意味は通りますが、卒業予定が伝わりにくくなります。応募する年度の3月に卒業予定なら「卒業見込み」としてください。
学部・学科を書かない
「〇〇大学 卒業」だけでは、何を学んだのかが伝わりません。学部・学科、あればコース名まで書きます。理系・文系の判断材料にもなります。
職歴欄でよくある間違い
「入社」の行だけ書いて「退社」を書かない
2行で1社です。退社の行がないと、いつまで在籍していたのかが分かりません。在職中の場合は「現在に至る」を必ず書きます。
「以上」を書き忘れる
職歴の最後の行の次に、右寄せで「以上」を書きます。提出前の確認で最も引っかかりやすい1行です。
会社名を通称で書く
普段の呼び方ではなく、登記上の正式名称で書きます。グループ会社の場合、どの法人に在籍していたのかを正確に書いてください。「〇〇グループ」ではなく「株式会社〇〇〇〇」です。
職務内容を書きすぎる
履歴書の職歴欄は、在籍の事実を示す場所です。担当業務は1行で足ります。詳しい内容は職務経歴書に書きます。ここで行を使い切ると、そのあとの会社が入らなくなります。
退職理由を詳しく書く
「一身上の都合により退社」で十分です。前職の不満や事情をここに書くと、それだけで印象が決まります。説明が必要なことは面接で伝えます。
書く前に、材料を集めておきます
学歴・職歴欄でつまずく原因の多くは、書き方ではなく情報が手元にないことです。次を先に集めてください。
| 必要なもの | どこで確認できるか |
|---|---|
| 学校の正式名称 | 卒業証書、学生証、学校の公式サイト |
| 入学・卒業の年月 | 卒業証書、卒業アルバム。生年月日からの逆算も可 |
| 会社の正式名称 | 雇用契約書、給与明細、源泉徴収票、会社の公式サイト |
| 入社・退社の年月 | 雇用保険被保険者証、離職票、源泉徴収票、年金記録 |
| 在籍していた部署名 | 名刺、社員証、辞令 |
年金記録(ねんきん定期便やねんきんネット)は、これまでの勤務先と加入期間がまとめて確認できるので、職歴が多い場合にとくに便利です。記憶で書かず、記録で確かめてください。提出後に食い違いが出ると、説明する手間のほうが大きくなります。
卒業年・入社年が思い出せないとき
学歴の年月は、生年月日から計算できます。学年の区切りは4月2日から翌年4月1日生まれなので、1月1日から4月1日生まれ(早生まれ)は1学年上になり、卒業年が1年ずれます。ここを取り違えたまま提出される例は多く、しかも自分では気づきにくい間違いです。
Rirekisyでは、学歴の入力画面にある「入学・卒業年度を自動計算」で、生年月日から早生まれも含めて年月を出せます。職歴の年月は、雇用保険被保険者証、源泉徴収票、年金記録などで確認できます。
よくある質問
Q. 学歴と職歴のあいだは1行空けますか
空けるのが読みやすい書き方です。行数が厳しい場合は詰めても問題ありません。
Q. 職歴に「入社」ではなく「入職」と書きますか
医療機関や福祉施設では「入職」「退職」を使うことがあります。どちらでも通じますが、1枚のなかで表記を揃えてください。
Q. 産休・育休の期間は書きますか
在籍が続いているので、職歴としては切れません。ブランクとして見られたくない場合は、業務内容の行に「〇年〇月から〇年〇月まで育児休業」と添える方法があります。書かなくても問題ありません。
Q. 会社が倒産した場合はどう書きますか
「会社都合により退社」と書きます。「〇〇株式会社 倒産のため退社」と書いても構いません。自己都合ではないことが伝わるほうが有利に働きます。
Q. 現在も学生ですが、職歴欄はどうしますか
アルバイトを職歴に書かない場合は「なし」と書き、「以上」で締めます。学業に専念していたことは、志望動機や自己PRの欄で伝えられます。
Q. 職歴欄に「アルバイト」と書くと不利になりますか
なりません。書き方として「アルバイト」と明記しておくほうが、雇用形態の誤解を防げます。応募先の仕事と関係が深い経験であれば、むしろ書いたほうが評価されます。
Q. 職歴と学歴が前後します。どちらを先に書きますか
学歴が先です。働きながら学校に通っていた場合など、期間が重なることはありますが、欄としては学歴をすべて書いてから職歴に移ります。
Q. 学校名が変わっています。どちらで書きますか
在籍当時の名称で書き、括弧で現在の名称を添えると親切です。「〇〇高等学校(現・〇〇高等学校)」のように書きます。統廃合で学校自体がなくなっている場合も同じです。
Q. 職歴欄に業務内容を書く行がありません
省略して構いません。履歴書の職歴欄は在籍の事実を示す場所なので、社名と入退社の年月だけでも成立します。業務の中身は職務経歴書で伝えてください。