公開日:2026年9月9日
スマートフォンで撮った写真も、条件さえ整えば履歴書に使えます。うまくいかないときの原因は、たいてい撮り方ではなく場所選びです。壁と光が決まっていれば、あとは高さと距離を合わせるだけで終わります。順に確認していきます。
スマートフォンで撮った写真は、履歴書に使えます
「証明写真は写真館かスピード写真で撮るもの」と考えている方は多いのですが、応募先が見ているのは撮影機材ではなく、写っている本人の様子です。顔がはっきり分かり、背景が整っていて、明るさが適正であれば、スマートフォンで撮ったものでも問題ありません。実際、データで提出する応募が増えたことで、手元の端末で用意する方は年々増えています。サイズや服装も含めた基本は証明写真の撮り方にまとめています。
使えないのは「写真として整っていない」場合です
次のような写真は、機材にかかわらず避けてください。応募先が最初に目にするものなので、ここでつまずくと中身を読んでもらう前に印象が決まります。
- 顔に影が落ちている、または顔だけ白く飛んでいる
- 背景に家具・洗濯物・ドアの枠・照明のスイッチが写っている
- ピントが合っていない、手ぶれしている
- ほかの写真から切り抜いたことが分かる(斜めを向いている、目線が外れている)
- 顔の大きさが極端に小さい、または頭が切れている
先に決めておくのは「縦4:横3」です
履歴書の写真枠は、多くの様式で縦4cm×横3cmです。撮るときからこの比率を意識して、上下に余白を持たせて撮っておくと、あとで切り出すときに困りません。スマートフォンの標準のカメラは横長・正方形などの比率で撮れますが、撮影時は広めに撮り、切り出しで比率を合わせるのがいちばん失敗しません。
場所選び:壁と光で、ほとんど決まります
自宅で撮ってうまくいかない原因は、腕ではなく場所です。次の2つを満たす場所を、家の中から探してください。
壁は「無地・薄い色・凹凸が少ない」
背景に選ぶ壁の条件は3つです。柄がないこと、色が薄いこと、凹凸や継ぎ目が目立たないこと。白いクロスの壁がいちばん扱いやすく、薄いグレーや薄い水色の壁も使えます。
| 場所 | 向き不向き |
|---|---|
| 白いクロスの壁 | もっとも扱いやすい。継ぎ目やコンセントの位置だけ確認する |
| 玄関のドア | 色が濃い・光沢がある場合が多く、映り込みが出やすい |
| カーテン | ひだの陰影が出る。ぴんと張れるなら可 |
| 本棚や家具の前 | 背景がうるさくなるため避ける |
| 屋外 | 背景が定まらず、光も安定しないため避ける |
光は、窓からの自然光を正面から当てます
窓に向かって立ち、窓を背にした壁に向かって撮ってもらうのが基本の形です。顔に正面から光が当たり、影が後ろへ回ります。時間帯は、直射日光が入らない曇りの日中か、日が当たらない側の窓が扱いやすくなります。
天井の照明だけで撮ると、目の下と鼻の下に濃い影が出ます。これが「疲れて見える」写真の主な原因です。窓の光が足りないときは、白い紙や白いタオルを顔の下あたりに置いて、光を顔に返してやると影が薄くなります。
避けたほうがよい光
- 背中側に窓がある(顔が暗くなる)
- 片側だけに強い光が当たる(顔の半分が影になる)
- 直射日光(影が硬く出て、目を細めてしまう)
- 蛍光灯と電球色が混ざっている(肌の色が転ぶ)
自撮りと他撮り、どちらがよいか
頼める人がいるなら、他撮りを選びます
自撮りは腕の長さの分だけカメラが近くなり、顔の中心が大きく、耳や輪郭が小さく写ります。証明写真としては不自然に見えやすい撮り方です。家族や友人に頼めるなら、少し離れた位置から撮ってもらうほうが、素直な写り方になります。
頼むときは、こう伝えると早く終わります
・1メートルくらい離れて、私の目の高さから撮ってほしい ・カメラは縦向きで、頭の上に少し余白をつくって ・胸から上が入るくらいの範囲で ・同じ姿勢のまま、5枚くらい続けて撮って
撮る側は「どこを狙えばよいか」が分からないまま構えていることが多いので、範囲と高さだけ先に伝えると、やり直しが減ります。
自撮りで撮るときは、距離を稼ぎます
ひとりで撮る場合は、スマートフォンを本や箱の上に立てかけ、セルフタイマーを使って離れて写る方法をおすすめします。腕を伸ばして撮るより顔の歪みが出ず、姿勢も整えやすくなります。スタンドがなくても、テーブルの上に本を積んで壁に立てかければ十分です。
撮る手順
1.カメラの高さを、自分の目の高さに合わせます
カメラが顔より高いと見上げる形になり、低いと見下ろす形になります。レンズが目とほぼ同じ高さのとき、いちばん自然に写ります。立って撮るか、椅子に座って撮るかを先に決め、その姿勢に合わせて高さを決めてください。
2.壁から一歩離れます
壁にぴったり背をつけると、自分の影が壁に落ちます。壁から50cm〜1mほど前に立つと、影が壁に届かなくなり、背景がきれいに抜けます。狭い部屋でも、この一歩を確保できるかどうかで仕上がりが変わります。
3.カメラは縦向き、範囲は胸から上
頭の上に少し余白を残し、胸のあたりまでが入る範囲で構えます。切り出しで調整するので、この段階ではやや広めに撮っておくのが安全です。狭く撮ってしまうと、あとから比率を合わせるときに頭が切れます。
4.10枚以上撮って、あとから選びます
1枚で決めようとすると、目が半分閉じている、口元が力んでいる、といった細かい失敗に気づけません。同じ条件で10枚以上撮り、明るい場所でゆっくり見比べて選ぶようにしてください。撮り直しは場所を片づける前にしかできないので、多めに撮っておくほうが結果的に早く終わります。
撮る前に済ませておく身だしなみ
写真の中で直せないものは、撮る前に整えておきます。
| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| 髪 | 目や眉にかかっていないか。寝ぐせ、跳ねている毛先 |
| 襟 | 左右が対称に出ているか。よれ、折れ |
| 肩 | ジャケットの肩がねじれていないか |
| 眼鏡 | レンズに照明が映り込んでいないか。傾いていないか |
| 姿勢 | あごを引き、肩の高さを左右そろえる |
表情は、口角をわずかに上げる程度で十分です。歯を見せて笑う必要はありませんが、口元に力が入りすぎていると硬い印象になります。撮る直前に一度息を吐くと、肩と口元の力が抜けます。
撮ったあとの整え方
切り出しは、縦4:横3に合わせます
スマートフォンの写真アプリには、切り出しの比率を指定する機能があります。縦4:横3(3:4)を選び、頭の上に少し余白が残り、あごの下に少し余裕がある位置で決めてください。目の高さが写真の上から3分の1あたりに来ると、多くの様式で収まりよく見えます。
明るさの調整は、顔が暗いときだけ
撮った写真が全体に暗い場合、明るさを少し上げるのは構いません。ただし上げすぎると肌の質感が飛び、のっぺりした印象になります。輪郭が残っている範囲にとどめてください。彩度やコントラストを大きく動かすのはおすすめしません。
顔そのものを加工しないでください
肌を滑らかにする、目を大きくする、輪郭を細くする——こうした加工は証明写真では避けてください。面接で会ったときに写真と印象が違うと、書類そのものの信用が下がります。整えてよいのは明るさと切り出しの範囲まで、と考えておくと迷いません。
よくある失敗
- 壁にぴったり背をつけた——影が背景に落ちる。一歩前に出る
- 天井の照明だけで撮った——目の下に影。窓に向かって撮る
- 腕を伸ばして自撮りした——顔が歪む。置いて離れる
- 狭く撮りすぎた——切り出すと頭が切れる。広めに撮る
- 1枚しか撮らなかった——目が半分閉じている。10枚以上撮る
- 横向きで撮った——縦の比率に足りない。カメラは縦向き
撮った中から1枚を選ぶ
小さくしてから見比べます
撮った直後の画面は大きいので、どれもよく見えます。ところが履歴書に貼られたときの大きさは縦4cm×横3cm、名刺よりも小さい面積です。選ぶときは、写真アプリの一覧表示(サムネイル)の大きさで見比べてください。その小ささで表情が読み取れる1枚が、実際に強い写真です。
拡大して確認する4か所
候補が2〜3枚に絞れたら、今度は拡大して次の4か所を見ます。
- 目——半分閉じていないか。左右で開き方が違わないか
- 口元——力が入っていないか。片側だけ上がっていないか
- 肩の高さ——左右がそろっているか。傾いていないか
- 髪——跳ねている毛先が背景に浮いていないか
この4つのうち2つ以上が気になるなら、撮り直しの合図です。場所を片づける前に判断してください。壁と光の条件を作り直すのが、いちばん手間のかかる部分だからです。
人に見てもらうと早いです
自分の顔は見慣れているので、細かい違いに気づけません。家族や友人に「どれがいちばん自然か」と聞くと、数秒で決まります。選ぶ理由まで求める必要はありません。第一印象で選んでもらってください。
用意しておくと楽になるもの
特別な機材は要りません。家にあるもので足ります。
| もの | 使い道 |
|---|---|
| 本を数冊 | 積んでスマートフォンを立てかける。高さの調整もできる |
| 白い紙(A4で可) | 顔の下に置いて光を返し、目の下の影を薄くする |
| 粘着テープ | 模造紙やシーツを壁に留める |
| くし・手鏡 | 撮る直前の確認。カメラの画面より鏡のほうが早い |
| コロコロ(粘着ローラー) | 肩に落ちた髪やほこりを取る。濃い色の服では特に目立つ |
三脚を買う必要はありません。本を積む方法で、高さも角度も十分に調整できます。
Rirekisyで用意する場合
Rirekisyでは、撮った写真をそのままアップロードし、画面上で縦4:横3の範囲を指定して切り出すことができます。比率は固定されているので、枠に合わない写真になる心配がありません。
あわせて、アップロードした写真をリクルート用の証明写真に整える「AIで加工」を用意しています。加工では、濃紺のビジネススーツと白いシャツを着た状態に置き換え、背景を薄い水色の単色に変え、スタジオで撮ったような均一な明るさに補正します。顔立ち・表情・髪型・肌の質感・体型は変えません。処理には10〜30秒ほどかかります。
加工した写真と、加工していない元の写真のどちらを使うかは、見比べてから選べます。手元にスーツがない、部屋の背景が整えられない、といった事情があるときの逃げ道として使ってください。加工した結果が自分の印象と離れていると感じたら、元の写真を選んで構いません。自分で服装を整える場合は証明写真の服装を参考にしてください。
入力の途中で画面を閉じても、写真と記入内容はその端末に残ります。共用のパソコンなどを使っている場合は、作業が終わったらデータ削除のボタンで端末から消してください。
よくある質問
Q. スマートフォンで撮った写真だと、選考で不利になりますか
写真として整っていれば、撮影機材で不利になることは考えにくいです。判断されているのは、清潔感のある身なりが整っているか、顔がはっきり分かるか、という点です。
Q. 自撮りでも大丈夫ですか
問題ありません。ただし腕を伸ばして撮ると顔が歪むので、スマートフォンを置いてセルフタイマーで撮る形をおすすめします。
Q. 部屋に白い壁がありません
薄いグレーや薄い水色の壁でも構いません。どうしても見つからない場合は、白い模造紙や無地のシーツを壁に貼ってしわを伸ばすと、背景として使えます。
Q. 夜しか時間が取れません
照明だけだと影が出やすいので、明るい部屋で、顔の正面に光が来る位置を探してください。それでも暗い場合は、白い紙を顔の下に置いて光を返すと改善します。翌日の日中に撮り直せるなら、そのほうが確実です。
Q. 眼鏡は外したほうがよいですか
普段かけているなら、かけたままで構いません。レンズに照明が映り込んでいないか、フレームが目にかかっていないかだけ確認してください。
Q. 背景に少しだけ物が写ってしまいました
切り出しで外せる位置なら外してください。外せない場合は、撮り直すほうが早いです。背景の物を消す加工は、境目が不自然になりやすいのでおすすめしません。
Q. 何枚くらい撮ればよいですか
同じ条件で10枚以上を目安にしてください。選ぶときは、明るい場所で拡大して、目が開いているか、口元が力んでいないかを確認します。
Q. 印刷して紙の履歴書に貼りたいのですが
写真店やコンビニのプリントで、証明写真のサイズを指定して出力できます。家庭用のプリンターで普通紙に印刷したものは、質感が明らかに違って見えるため避けてください。
Q. データで提出する場合、ファイル名はどうしますか
応募先から指定があればそれに従います。指定がなければ、氏名が分かる名前にしておくと、受け取る側が扱いやすくなります。
Q. 撮り直したほうがよいか、判断がつきません
写真を縮小して、証明写真の実寸くらいの大きさで見てください。その大きさで顔の印象が分からない、暗く見える、という場合は撮り直しの合図です。
Q. 前に撮った写真が手元にあります。使い回せますか
撮影から時間が経っていない(3か月以内が目安)、髪型や眼鏡が今と変わっていない、という条件を満たすなら使えます。どちらかが変わっているなら撮り直してください。