公開日:2026年9月7日

職務経歴書は、履歴書と違って決まった様式がありません。自由だからこそ何を書けばよいか分からなくなります。ただ、載せる項目と並べる順番はほぼ決まっています。型を先に決めてしまえば、あとは自分の経歴を当てはめていくだけです。

履歴書と職務経歴書は役割が違います
| 履歴書 | 職務経歴書 | |
|---|---|---|
| 答える問い | どこにいた人か | 何ができる人か |
| 様式 | 決まっている(厚生労働省の様式例など) | 決まっていない |
| 書く内容 | 在籍の事実を時系列で | 担当業務と成果を具体的に |
| 枚数 | 1枚(A4なら2ページ) | 1〜2枚 |
| 写真 | 必要 | 不要 |
中途採用では、ほとんどの場合両方の提出を求められます。同じ内容を2枚に書くのではなく、履歴書には在籍の事実、職務経歴書には中身、と分けて考えてください。2つの役割の違いは履歴書と職務経歴書の違いで詳しく解説しています。
新卒やアルバイトの応募では、職務経歴書は不要なことがほとんどです。
2つの様式から選びます
編年式(古い順)
いちばん古い職歴から順に並べる書き方です。
- 向いている人:同じ業界・職種で経験を積み上げてきた人。1社しか経験がない人。20代。
- 効果:どう成長してきたかの流れが伝わります。
逆編年式(新しい順)
直近の職歴から遡って並べる書き方です。転職市場ではこちらが主流です。
- 向いている人:直近の経験が応募先といちばん近い人。転職回数が多い人。30代以降。
- 効果:読み手が最初に知りたい「いま何ができるか」が冒頭に来ます。
迷ったら逆編年式を選んでください。採用担当者は多くの書類を読むので、直近の経験が上にあるほうが判断が早くなります。
キャリア式について
職種や業務内容ごとにまとめる「キャリア式」という書き方もありますが、在籍期間が追いにくくなるため、避けるほうが無難です。経験が幅広い場合は、逆編年式にしたうえで「活かせる経験・スキル」の項目でまとめてください。
書き始める前の3つの準備
職務経歴書は様式が決まっていないぶん、材料がないまま書き始めると手が止まります。次の3つを先に済ませてください。
準備1:応募先が何を求めているか読み取る
求人票の「仕事内容」と「求める人物像」を読み、そこに出てくる言葉を書き出します。「新規開拓」「既存顧客のフォロー」「マネジメント経験」といった単語です。この言葉が、あとで自分の経歴のどこを前に出すかの基準になります。
準備2:自分の経歴を棚卸しする
会社ごとに、次を書き出します。この段階では文章にしません。箇条書きで構いません。
- 在籍期間、部署、役職
- 担当していた業務(動作で。「〇〇を担当」ではなく「〇〇をして、〇〇をしていた」)
- 数字(件数、社数、人数、金額、達成率、期間)
- 工夫したこと、変えたこと
- 会社の事業内容、規模
ここがいちばん時間のかかる工程です。先にこれを終えてしまえば、あとは並べ替えるだけになります。
準備3:履歴書を先に作る
履歴書を作ると、会社名と在籍期間が確定します。職務経歴書はそれを土台に中身を足していく形になるので、順番として履歴書が先です。2枚のあいだで在籍期間がずれる事故も防げます。
載せる項目と順番
- タイトル「職務経歴書」/日付/氏名
- 職務要約(3〜5行)
- 職務経歴(会社ごと)
- 活かせる経験・知識・スキル
- 保有資格(履歴書に書ききれない場合)
- 自己PR
この順番には理由があります。読み手は上から数行で読み続けるかを決めます。だから要約が2番目に来ます。
①職務要約
冒頭の3〜5行で、経歴全体を要約します。ここだけで「何ができる人か」が伝わるように書いてください。
大学卒業後、株式会社〇〇に入社し、法人向けのIT機器販売を4年間担当いたしました。 新規開拓と既存顧客のフォローを並行して受け持ち、直近2年は年間目標を継続して 達成しております。現在は後輩3名の指導も兼任しております。これまで培った提案力を、 より深く顧客の課題に関われる貴社の営業職で活かしたいと考えております。
書くのは、①どの業界・職種で何年か、②主に何を担当したか、③何ができるか、の3点です。ここは最後に書いてください。本文を書き終えてからのほうが、要約が正確になります。
②職務経歴
会社ごとに、会社概要・在籍期間・担当業務・実績を書きます。
■ 株式会社〇〇商事(2020年4月〜現在) 事業内容:オフィス機器の販売および保守 / 従業員数:120名 / 資本金:3,000万円 【担当業務】 営業部にて、中小企業向けのIT機器販売を担当 ・新規開拓(テレアポ・紹介) 月20件の訪問 ・既存顧客20社の定期訪問と提案 ・見積作成、導入後のフォロー 【実績】 ・2024年度 年間目標比 118%達成(部内20名中3位) ・既存顧客の解約率を前年の8%から3%へ改善 ・後輩3名の同行指導を担当
会社概要を1行入れる理由
読み手はあなたの前職を知りません。事業内容・規模が分かると、実績の大きさが評価できます。「売上1,000万円」が大きいのか小さいのかは、会社の規模が分からないと判断できません。
担当業務は動作で書きます
× 法人営業を担当 ○ 中小企業向けに、テレアポと紹介で新規開拓を行い、月20件を訪問
役職名や部署名だけでは、何をしていたかが伝わりません。実際にしていた動作で書くと、応募先の仕事と重なる部分が見つけやすくなります。
実績には数字を入れます
売上の数字がなくても構いません。
- 担当した件数・社数・人数
- 達成率、前年比
- 短縮した時間、削減した工数
- 継続した年数
数字が思い当たらない職種でも、「毎日〇件処理」「月〇人対応」のように日常の量を数えるだけで具体になります。数字のない実績は、読み手には大きさが分かりません。
③活かせる経験・知識・スキル
職務経歴が会社ごとの記述なのに対して、ここは横断的にまとめる欄です。応募先が求めるものに寄せて並べます。
■ 活かせる経験・知識・スキル ・法人向け新規開拓の経験(4年):テレアポから受注までを一貫して担当 ・提案書、見積書の作成:週5〜10件を作成 ・PCスキル:Excel(VLOOKUP、ピボットテーブル)、PowerPoint、Salesforce ・後輩指導:同行研修、ロールプレイングの実施
PCスキルは、ソフト名だけでなくできる操作の水準まで書きます。「Excel(基本操作)」と「Excel(VLOOKUP、ピボットテーブル)」では伝わり方が違います。
この項目をどう書けばよいか分からないときは、Rirekisyの職務経歴書の入力画面から業種別の文例を参照できます。8つのカテゴリに分けて293件の文例が入っており、近い職種のものを見ながら自分の経験に置き換えられます。そのまま使うのではなく、書き出しの型として使ってください。中身は自分の経験でなければ、面接で答えられなくなります。
④自己PR
200〜400字が目安です。強みを1つに絞り、それを裏づけるエピソードを具体的に書きます。
■ 自己PR 課題を数字で捉えて改善する進め方を得意としております。前職では、既存顧客の 解約が続いた時期に、直近1年の解約先20社の記録を洗い出し、契約から半年以内の 連絡回数が少ない先ほど解約率が高いことを突き止めました。そこで契約後3か月の 訪問を標準の手順に組み込んだ結果、解約率は8%から3%まで下がりました。 貴社でも、感覚ではなく記録に基づいて改善点を見つける形で貢献したいと考えて おります。
強みを3つも4つも並べると、どれも印象に残りません。1つに絞って、そのぶん深く書いてください。
枚数と体裁
| 項目 | 基本 |
|---|---|
| 用紙サイズ | A4 |
| 枚数 | 1〜2枚。3枚以上は読まれにくい |
| 作り方 | パソコンで作るのが一般的(手書きの指定がなければ) |
| フォント | 明朝体かゴシック体の標準的なもの。履歴書と揃える |
| 年号 | 履歴書と統一する(西暦なら西暦) |
| 写真 | 不要 |
| 提出形式 | PDF。ファイル名に氏名を入れる |
2枚になる場合、履歴書と同じくホチキスやクリップで留めず、クリアファイルに重ねて入れます。
書くときによくある迷い
短期間で辞めた会社も書きますか
書きます。履歴書に書いた在籍期間と一致していなければなりません。ただし職務経歴書では、在籍が短い会社の記述を短くすることで、読み手の視線を主要な経歴に集められます。
アルバイト経験は書きますか
応募先の仕事と関係が深い場合は書きます。「アルバイト」と明記してください。関係が薄い場合は書かなくて構いません。
退職理由は書きますか
基本的に書きません。書くとしても「一身上の都合により退社」で足ります。会社都合の退職や、契約期間満了の場合だけ、その旨を書いておくと誤解を招きません。
応募先ごとに書き直しますか
全部を書き直す必要はありません。書き直すのは職務要約と「活かせる経験」の並び順です。応募先が求めるものを上に置くだけで、同じ経歴でも伝わり方が変わります。
履歴書との整合を確認します
2枚を並べたときに食い違いがあると、それだけで信用が下がります。提出前に次を確認してください。
| 確認する項目 | ありがちな食い違い |
|---|---|
| 在籍期間 | 入退社の年月が1か月ずれている |
| 会社名 | 片方が略称になっている |
| 年号 | 履歴書が西暦、職務経歴書が和暦 |
| 資格名 | 片方が略称になっている |
| 氏名・連絡先 | 職務経歴書に書き忘れる |
| 志望の方向 | 2枚で言っていることが違う |
Rirekisyでは、履歴書と職務経歴書を同じ画面から作れます。氏名・生年月日・学歴といった共通項目は履歴書から引き継がれるため、2枚のあいだで記載がずれません。出力される書体もどちらもIPAex明朝で揃います。
よくある質問
Q. 職務経歴書は手書きでもよいですか
指定がなければパソコンで構いません。むしろ量が多く、修正も入るので、データで作るほうが現実的です。
Q. 職歴が1社だけです。書くことがありません
1社でも、担当した業務は複数あるはずです。年度ごと、あるいは担当した案件ごとに区切って書いてください。異動や担当変更があれば、それも区切りになります。
Q. 未経験の職種に応募します。何を書きますか
職種は違っても、動作の単位では重なるものが必ずあります。人と交渉した、数字を管理した、手順を作った、後輩に教えた。応募先の仕事を分解して、重なる動作を探してください。それを「活かせる経験」に書きます。
Q. 履歴書と職務経歴書、どちらを先に作りますか
履歴書を先に作ると、会社名や在籍期間が確定するので、職務経歴書の骨組みがそのまま決まります。共通項目を引き継げる作り方であれば、なおさら履歴書が先です。
Q. 応募先から様式を指定されました
指定された様式に従います。この記事の項目立ては、指定がない場合の標準的な形です。
Q. 職務経歴書に写真は必要ですか
不要です。写真は履歴書に貼ります。
Q. 職務経歴書にも押印は必要ですか
不要です。日付と氏名を右上に書けば足ります。
Q. 3枚になってしまいました
2枚に収めてください。削るのは、応募先と関係の薄い会社の記述と、古い経歴の詳細です。直近の経歴を厚く、古いものは在籍の事実だけにすると自然に収まります。
Q. 実績に書ける数字がありません
売上や達成率でなくても構いません。担当した件数、対応した人数、処理にかかっていた時間、続けた年数。日常の量を数えるだけで具体になります。「毎月30件の請求処理を担当」でも、何もないよりはるかに伝わります。
Q. 転職回数が多く、書くと長くなります
逆編年式にして、直近2〜3社を厚く、それ以前は社名・期間・担当業務の1行だけにします。すべてを同じ厚さで書く必要はありません。ただし在籍していた会社を省略することはできません。
Q. 応募先ごとに作り直すのが大変です
作り直すのは職務要約と「活かせる経験」の並び順だけです。職務経歴の本文は共通で使えます。1社あたり15分程度で調整できる形にしておくと、応募数を増やしても負担になりません。
Q. 自己PRと志望動機の内容が似てしまいます
自己PRは「自分は何ができるか」、志望動機は「なぜこの会社か」です。自己PRで書いた強みが、志望動機の根拠になっている、という関係にすると自然につながります。同じ文章の繰り返しにならないよう、片方は経験、もう片方は応募先との接点に軸を置いてください。
Q. 職務経歴書のタイトルは何と書きますか
1行目の中央に「職務経歴書」と書きます。その下の右側に作成日、さらに下の右側に氏名を書きます。作成日は履歴書と同じ日付にしてください。
Q. 会社の規模や売上を書いてもよいですか
公表されている範囲であれば構いません。会社概要として「従業員数」「資本金」「事業内容」を1行で添えると、実績の大きさが伝わりやすくなります。非公開の情報や機密にあたる数字は書かないでください。
Q. 応募先に提出する前に、誰かに見てもらうべきですか
可能であれば見てもらってください。自分では通じるつもりの略語や社内用語が、外の人には伝わらないことがあります。転職エージェントを使っている場合は添削を受けられますが、中身を書くのは本人です。体裁を整えてもらう前に、まず自分で完成させてください。