公開日:2026年9月8日

応募先から「履歴書と職務経歴書をお送りください」と言われて、何が違うのか分からないまま2枚とも似た内容になってしまうことがあります。この2つは、答えている問いが違う書類です。違いが分かると、どちらに何を書くかで迷わなくなります。順に整理していきます。

役割が違います
いちばん大きな違いは、答えている問いです。
| 書類 | 答えている問い | 読み方 |
|---|---|---|
| 履歴書 | どこの誰で、これまでどこに所属してきたか | 事実の確認 |
| 職務経歴書 | そこで何をして、何ができるようになったか | 能力の判断 |
履歴書は身元と経歴の申告書、職務経歴書は仕事の説明書だと考えると分かりやすくなります。だから履歴書には決まった様式があり、職務経歴書には決まった様式がありません。職務経歴書の具体的な書き方は職務経歴書の書き方で解説しています。
採用側の使い方も違います
履歴書は、連絡先・年齢・通勤の可否・資格の有無といった条件の確認に使われます。職務経歴書は、任せられる業務の判断と、面接で何を聞くかの材料に使われます。同じ人が読んでも、目的が違うので見る場所が違います。
様式が違います
| 項目 | 履歴書 | 職務経歴書 |
|---|---|---|
| 様式 | 厚生労働省の様式例が事実上の標準 | 決まった様式はない |
| 枚数 | 1枚(A4見開き2ページ) | 1〜2枚 |
| 写真 | 貼る(写真なしの様式もある) | 不要 |
| 手書き | 指定があれば手書き | ほぼパソコン |
| 書く内容 | 欄が決まっている | 自分で構成を決める |
職務経歴書に「正解の様式」はありません
ただし、実務上よく使われる型は2つあります。古い順に並べる編年式と、新しい順に並べる逆編年式です。直近の経験を先に読ませたい場合は逆編年式、経験の積み上がりを見せたい場合は編年式を選びます。
両方必要な場合、片方でよい場合
| 応募の種類 | 履歴書 | 職務経歴書 |
|---|---|---|
| 中途採用(正社員) | 必要 | ほぼ必要 |
| 新卒採用 | 必要 | 不要(エントリーシートを使う) |
| アルバイト・パート | 必要 | 原則不要 |
| 派遣登録 | 必要 | 必要なことが多い(スキルシート) |
| 公務員・団体の採用 | 指定様式 | 指定があれば |
指定がなくても、中途採用では添えたほうが有利です
募集要項に職務経歴書の指定がない場合でも、社会人経験があるなら添えて構いません。履歴書の職歴欄だけでは、何をやってきた人か分からないためです。ただし「不要」と明記されている場合は送らないでください。指示を読んでいないと受け取られます。
職歴が1つもない場合
職務経歴書は不要です。学生時代の経験は、履歴書の志望動機・アピールの欄で伝えます。無理に職務経歴書を作ると、内容の薄い1枚になります。
内容が重複したときの書き分け
2枚に同じことを書くのは無駄ではありませんが、量を変えます。
| 項目 | 履歴書 | 職務経歴書 |
|---|---|---|
| 会社名・在籍期間 | 必ず書く | 必ず書く(一致させる) |
| 業務内容 | 1行、または省略 | 担当範囲・規模・成果まで |
| 実績・数字 | 基本は書かない | ここが本体 |
| 自己PR | 要約(数行) | 詳細(300〜400字) |
| 志望動機 | 書く | 書かないことが多い |
| 資格 | 正式名称と取得年月 | 業務に関係するものだけ再掲 |
まったく同じ文章を貼らないでください
自己PRを2枚に同じ文面で貼ると、書類全体が薄く見えます。履歴書は要約、職務経歴書は詳細という関係を守ってください。履歴書側の自己PRの考え方は自己PRの書き方で解説しています。
2枚のあいだで必ず合わせる項目
採用側が最初に確認するのは、2枚の整合です。ここが食い違うと、内容以前の問題になります。
- 会社の正式名称。片方が「株式会社○○」、もう片方が「○○(株)」では、揃っていません。
- 在籍期間。年月まで一致させます。
- 会社数。職務経歴書で古い経歴を圧縮する場合も、社名と期間は残します。
- 役職・部署名。両方に書くなら同じ表記にします。
- 年号。片方が西暦、もう片方が和暦だと読み比べに手間がかかります。どちらかに統一してください。
- 氏名と日付。職務経歴書にも氏名と作成日を入れます。
作る順番
職務経歴書を先に作ったほうが早く終わります
履歴書から作ると、志望動機や自己PRを書く段階で「自分は何ができるのか」が固まっておらず、手が止まります。先に職務経歴書で経験を整理すると、履歴書側は要約するだけになります。
| 順番 | 作業 |
|---|---|
| 1 | 職歴の事実(社名・期間・担当)を一覧にする |
| 2 | 職務経歴書で、担当範囲と成果を書き出す |
| 3 | 履歴書の職歴欄を、社名と期間だけで作る |
| 4 | 職務経歴書の内容を要約して、履歴書の自己PRにする |
| 5 | 応募先ごとに志望動機を書く |
応募先ごとに書き換えるのは2か所だけです
毎回1から作り直す必要はありません。書き換えるのは、履歴書の志望動機と、職務経歴書の自己PRの冒頭です。経歴の事実は変わらないので、そこは使い回せます。
職務経歴書で、実際に見られているところ
担当した範囲と規模
同じ「営業を担当」でも、扱っていた商材、相手が法人か個人か、担当していた件数や地域によって、仕事の中身はまったく違います。読み手はここで、自社の仕事に置き換えられるかを判断しています。役職名だけでは伝わりません。何人の組織で、どの範囲を任されていたのかまで書いてください。
成果と、そこに至る行動
数字だけを並べても、環境に恵まれただけなのか、自分の判断で動かしたのかが分かりません。逆に、行動だけを書いても、それが効いたのかどうかが分かりません。行動と結果を1組で書くと、再現できるかどうかが読み取れます。
書き手が、仕事をどう捉えているか
何を先に書き、何を省いたかで、その人が仕事の何を大事にしているかが伝わります。工程を細かく書く人、相手との関係を中心に書く人、数字で語る人。優劣ではなく、応募先の仕事との相性が見られています。
職務経歴書を出さない応募で、履歴書に足すこと
アルバイトや、職務経歴書が不要とされている応募では、履歴書だけで判断されます。この場合は、職歴欄に業務内容を1行だけ添えてください。
令和4年4月 株式会社○○ 入社 家電量販店にて接客販売および売り場管理を担当 令和7年3月 一身上の都合により退職
この1行があるかどうかで、経歴の伝わり方が変わります。ただし、行数に余裕がない場合は社名と期間を優先してください。業務内容は省けますが、社名と期間は省けません。
よくある誤解
「職務経歴書は経歴が長い人が出すもの」ではありません
在籍1年でも、担当した業務があれば書けます。むしろ経験が短い人ほど、履歴書の職歴欄だけでは何もしていないように見えるため、職務経歴書で補う価値があります。
「履歴書は形式だけ」ではありません
履歴書は事実の確認に使われるため、記載の正確さがそのまま評価に響きます。年号の混在、社名の略記、日付の食い違いは、書類全体の信頼を下げます。職務経歴書の中身が良くても、履歴書が雑だと相殺されます。
「2枚あれば内容は分けなくてよい」ではありません
2枚とも同じ密度で書くと、読み手は同じ話を二度読むことになります。役割を分けたうえで、それぞれの目的に合った量にしてください。
提出のしかた
並べる順番
郵送でもメールでも、履歴書が先、職務経歴書が後です。送付状を付ける場合は、送付状がいちばん上になります。
メールで送る場合のファイル
指定がなければPDFにします。ファイル名は「履歴書_氏名.pdf」「職務経歴書_氏名.pdf」のように、開かなくても中身が分かる名前にしてください。1つのPDFにまとめるかどうかは指定に従い、指定がなければ分けて添付するほうが扱いやすくなります。
用意にかかる時間の目安
2枚を初めて作る場合、かかる時間の大半は文章を書く作業ではなく、事実を確認する作業です。先に材料を集めておくと、以降の応募が短時間で済むようになります。
| 作業 | 目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 職歴の事実確認(社名・期間・区分) | 30〜60分 | 1回やれば以降は不要 |
| 職務経歴書の下書き | 60〜120分 | 会社数による |
| 履歴書の作成 | 30〜60分 | 写真の準備を含まない |
| 2社目以降の書き換え | 15〜30分 | 志望動機と自己PRの冒頭のみ |
締切が近いときの優先順位
時間がない場合でも、削ってよい順番があります。まず職務経歴書の古い経歴を短くし、次に自己PRを詰めます。履歴書の記載事項と、2枚の整合は最後まで削れません。ここを落とすと、内容以前の理由で外されます。
Rirekisyでの作り分け
Rirekisyでは、履歴書と職務経歴書を同じ画面で切り替えて作成できます。基本情報や学歴・職歴といった共通の項目は引き継がれるため、2枚目で同じ内容を打ち直す必要がありません。
職務経歴書側では、編年式と逆編年式を選べます。職務要約と自己PRには「AIで作成」のボタンがあり、入力済みの経歴をもとに下書きを作れます。ただし、生成された文章は体裁を整えるための下書きです。経験の中身と数字は、必ず自分のものに直してください。
履歴書側は、厚生労働省の様式例に沿った帳票で出力されます。書体はIPAex明朝で、入学・卒業年度の自動計算があるため、学歴の年月で迷う時間を減らせます。
よくある質問
Q. 履歴書と職務経歴書、どちらから手を付けると早く終わりますか
職務経歴書からです。先に経験を整理しておくと、履歴書の自己PRはその要約で済みます。逆の順番で始めると、履歴書のアピール欄で「自分に何ができるのか」を考え込むことになり、そこで手が止まります。事実の一覧、職務経歴書、履歴書、志望動機という順番が、結果としていちばん短時間で終わります。
Q. 2枚とも同じ日付にしますか
そろえてください。どちらも提出日を書きます。片方だけ日付が古いと、使い回しの書類だと受け取られます。
Q. 職務経歴書はどの様式で作ればよいですか
決まった様式はありません。編年式か逆編年式のどちらかを選び、社名・期間・担当業務・成果が読み取れる形になっていれば問題ありません。
Q. 履歴書の職歴欄に、業務内容まで書くべきですか
職務経歴書を添えるなら、履歴書は社名と期間だけで構いません。職務経歴書を出さない応募の場合のみ、1行で業務内容を添えます。
Q. 職務経歴書に写真は要りますか
不要です。写真は履歴書に貼ります。
Q. 職務経歴書に志望動機を書いてもよいですか
書いても構いませんが、履歴書と同じ内容を繰り返す必要はありません。職務経歴書の末尾に数行添える程度にとどめ、詳しくは履歴書側に書きます。
Q. アルバイト経験しかありません。職務経歴書は作りますか
応募先が求めていなければ不要です。求められた場合は、アルバイトでの担当業務を職務経歴として書いて構いません。
Q. 職務経歴書は何枚までですか
2枚が目安です。3枚を超えると読まれない部分が出てきます。古い経歴を圧縮して、直近に紙面を割いてください。
Q. 手書きの職務経歴書でもよいですか
可能ですが、ほとんどはパソコンで作成されています。修正や使い回しがしやすいため、指定がなければパソコンで問題ありません。
Q. 履歴書と職務経歴書で、和暦と西暦を使い分けてもよいですか
統一してください。読み比べる側の手間が増えるうえ、計算間違いの原因にもなります。
Q. 職務経歴書に退職理由は書きますか
原則書きません。ただし、契約満了や事業所閉鎖など本人の意思以外の退職がある場合は、会社ごとに一行添えると経歴が読みやすくなります。
Q. 職務経歴書に、アルバイトの経験を混ぜてもよいですか
応募先の仕事につながる内容であれば書けます。ただし、正社員としての職歴と混在させず、雇用形態が分かるように書いてください。期間が短いものまですべて並べる必要はありません。
Q. 職務経歴書に趣味や自己紹介を入れてもよいですか
不要です。職務経歴書は仕事の説明書で、人柄の紹介は履歴書側の欄と面接が担います。紙面は担当業務と成果に使ってください。
Q. 履歴書だけ手書き、職務経歴書はパソコンでもよいですか
問題ありません。手書きの指定があるのは履歴書のみ、というケースは実際にあります。ただし両方をパソコンで作れるなら、そろえたほうが体裁は整います。
Q. 応募先から「履歴書のみ」と言われました。職務経歴書を添えると熱意が伝わりますか
逆効果になることがあります。指定を読んでいない、あるいは指示に従わない人だと受け取られます。伝えたい内容がある場合は、履歴書の欄の中で伝えてください。
Q. 履歴書と職務経歴書、どちらを先に読まれますか
多くの場合、履歴書で条件を確認してから職務経歴書に進みます。年齢・住所・資格といった条件が合わない場合、職務経歴書まで読まれないこともあります。履歴書側の記載漏れは、それだけで機会を失います。
Q. 職務経歴書のファイル形式は何がよいですか
指定がなければPDFにしてください。文書ファイルのまま送ると、相手の環境で書式が崩れることがあります。
Q. 転職が初めてで、職務経歴書を作ったことがありません
まず在籍している会社の担当業務を、動作の単位で書き出してください。「何を、誰に対して、どれだけ」の3点が書ければ、体裁は後から整えられます。空欄のまま様式を探し続けるより、書き出しを先に済ませるほうが早く終わります。