公開日:2026年10月26日
自分で店を開いていた、フリーランスで仕事を請けていた。会社員に戻ろうとすると、その期間を履歴書にどう書けばよいかで手が止まります。自営の期間は、空白ではなく職歴です。雇われていたのではないことが分かる言葉を選べば、そのまま書けます。
結論:自営の期間は職歴です。「開業」と「廃業」で書きます
自営業や個人事業主として働いていた期間は、職歴欄に書きます。書かずにおくと、その期間は何もしていなかった空白に見えます。自分で仕事を回していた経験は、会社員の職歴と同じように、仕事の経験として読まれます。
気をつけるのは言葉だけです。会社に雇われていたのではないので、「入社」「退社」とは書きません。始めた行は「開業」、やめた行は「廃業」で書きます。
2019年 4月 〇〇食堂(飲食店) 開業 2025年 3月 〇〇食堂(飲食店) 廃業
働き方ごとの書き方
| 働き方 | 始めた行 | やめた行 |
|---|---|---|
| 個人事業主(店や事務所を持つ) | 〇〇食堂(飲食店) 開業 | 〇〇食堂(飲食店) 廃業 |
| フリーランス(仕事を請ける) | Webサイト制作(フリーランス) 開業 | Webサイト制作(フリーランス) 廃業 |
| 1社とだけ業務委託契約 | 株式会社〇〇と業務委託契約を締結 | 契約終了 |
| 家業を手伝う(給与あり) | 家業(〇〇業)に従事 | 家業を離れる |
| 会社を設立した | 株式会社〇〇を設立 代表取締役に就任 | 代表取締役を退任 |
今も続けているなら、やめた行の代わりに「現在に至る」と書きます。1社とだけ業務委託で働いていた場合の書き方は、履歴書の職歴に契約社員・パートはどう書く?でも解説しています。
個人事業主の場合
屋号(店や事務所の名前)を書き、かっこで業種を添えます。屋号が無ければ「個人事業(内装工事業)」のように業種だけで構いません。「何の仕事をしていたか」が1行で分かることが大事です。
2020年 6月 個人事業(内装工事業) 開業 2024年 9月 個人事業(内装工事業) 廃業
開業の届け出を出していたかどうかは、履歴書には書きません。届け出の有無にかかわらず、自分で仕事を請けて収入を得ていた期間なら、職歴として書けます。
フリーランスの場合
フリーランスも、税金の上では個人事業主です。個人事業主と同じく「開業」「廃業」で書けます。何の仕事をしていたかを先に書き、かっこで「フリーランス」と添えます。
2021年 4月 Webサイト制作(フリーランス) 開業 2025年 6月 Webサイト制作(フリーランス) 廃業
取引先が何社もあった場合も、取引先ごとに行を分けません。1行にまとめ、取引先や仕事の中身は職務経歴書に書きます。1社とだけ契約して、その会社の仕事を専属で請けていた場合は、表の「業務委託契約」の書き方のほうが実態に合います。
家業の場合
家族の店や会社で働いていた場合は、給与を受け取っていたなら職歴として書けます。家業が会社になっているなら、その会社の名前で「入社」と書いて構いません。個人の店なら「家業(〇〇業)に従事」とします。給与を受け取らない手伝いの範囲なら、職歴欄ではなく、アピールの欄で触れてください。
会社を設立した場合
自分で会社を作って経営していた場合は、設立と就任を1行で書きます。会社を閉じたなら「株式会社〇〇を解散」、自分だけ退いて会社が残っているなら「代表取締役を退任」と書きます。
2018年10月 株式会社〇〇を設立 代表取締役に就任 2025年 3月 代表取締役を退任
会社員の時期と並べるとき
会社を辞めてから独立した場合は、退職の行のすぐ後に開業の行を置きます。時系列で並べれば、経歴の流れがそのまま伝わります。
2014年 4月 株式会社〇〇 入社 2019年 3月 一身上の都合により退職 2019年 4月 〇〇食堂(飲食店) 開業 2025年 3月 〇〇食堂(飲食店) 廃業
会社に勤めながら、副業として個人で仕事を請けていた場合は、本業の会社の職歴だけで足ります。副業を続けたまま応募する場合の書き方は、掛け持ちの履歴書の書き方で解説しています。
やめた理由は、書かなくて構いません。「〇〇食堂(飲食店) 廃業」で行を終えます。理由は面接で聞かれます。
事業の中身は職務経歴書に書きます
履歴書の1行では、「何の事業をしていたか」までしか伝わりません。自営の経験が評価されるのは、自分で何をしていたかが見えたときです。職務経歴書に、次のことを書きます。
- 事業の内容:何を、誰に向けて提供していたか
- 規模:従業員の数、取引先の数、店の席数など
- 自分が担っていた仕事:営業、制作、仕入れ、経理、人の採用など
- 続けた工夫と結果:数字で言えるものは数字で
売上の金額は、書かなくても構いません。書くなら、正確に言える数字だけにします。取引先の名前は、契約で外に出せないものもあるので、「大手通信会社」のように業種で書けば足ります。
自営では、会社員なら別の部署が担う仕事も自分でしていたはずです。見積もりを作る、請求書を出す、お客様からの苦情に対応する。小さく見える仕事も、応募先で使える経験として拾ってください。
面接で聞かれることを準備しておきます
自営から会社員に戻る人に、面接でよく聞かれるのは次の3つです。履歴書に書く必要はありませんが、答えを用意しておきます。
- なぜ会社員として働きたいのか:事業をやめた理由と、会社で働きたい理由を分けて答えます。
- 組織の中で働けるか:自分で決めてきた人が、上司の指示や会社の決まりに合わせられるかを見ています。
- また独立しないか:長く働くつもりがあるかを確かめています。
事業がうまくいかずにやめた場合も、隠す必要はありません。何が足りなかったか、そこから何を学んだかを、自分の言葉で話せれば十分です。
Rirekisyで作る場合
Rirekisyの職歴欄は、会社ごとに会社名と年月を入力し、「職歴の書き方」を選ぶ形です。個人事業主やフリーランスの期間は、「開業(自営業)」を選びます。会社名の欄に「〇〇食堂(飲食店)」のように屋号と業種を入れると、帳票には「〇〇食堂(飲食店) 開業」「〇〇食堂(飲食店) 廃業」の2行で出ます。今も続けているなら「在籍中(現在に至る)」にチェックを入れてください。
1社とだけの業務委託は、「業務委託契約」を選びます。会社名の欄に「株式会社〇〇」と入れると、「株式会社〇〇と業務委託契約を締結」「契約終了」の2行で出ます。
家業の「従事」と、会社を設立したときの「設立」「就任」の行は、Rirekisyの選択肢にはありません。家業が会社になっていて雇われていた場合は、その会社の名前で「入社」を選んでください。
事業の中身は、職務経歴書に切り替えて「業務内容・実績」の欄に書きます。職歴の会社名と年月は、切り替えた先が空欄なら引き継がれます。
よくある質問
Q. 収入が少なかった期間も、職歴として書けますか
書けます。職歴になるかどうかは、収入の多さでは決まりません。仕事として請けて、代金を受け取っていたなら職歴です。
Q. 開業届を出していませんでした
履歴書には届け出の有無を書く欄がないので、そのまま「〇〇(フリーランス) 開業」と書けます。入社の手続きで、自営の期間を証明する書類を求められることはまずありません。
Q. 自営をやめてから、しばらく働いていない期間があります
廃業の行のあとに空いた期間は、ほかの空白の期間と同じように扱います。書き方は履歴書の空白期間の書き方で解説しています。
Q. 応募先に、今の事業を続けながら働きたいと伝えるべきですか
続けるつもりなら、伝えます。副業を認めていない会社もあるからです。履歴書では職歴の最後を「現在に至る」とし、本人希望記入欄か面接で、事業を続けたいことを伝えてください。