公開日:2026年9月8日

書類が続けて通らないと、経歴そのものが悪いのではないかと感じてしまいます。ただ、書類選考で見られているのは経歴の良し悪しではなく、募集している仕事と合っているかどうかです。原因を3つに分けて、直せるところから確かめていきます。
まず、原因を3つに分けます
「通らない」とひとまとめにすると、直しようがありません。次の3つに切り分けてください。
| 原因 | 症状 | 直せるもの |
|---|---|---|
| ①応募先とのズレ | そもそも要件と合っていない | 応募先の選び方 |
| ②書類の作り込み不足 | 合っているのに伝わっていない | 書類の中身 |
| ③応募の進め方 | 母数が少ない、条件が狭い | 進め方 |
順番も大切です。①を確かめずに②を直しても、結果は変わりません。要件と合っていない応募先に、どれだけ丁寧な書類を送っても通らないためです。
①応募先とのズレを確かめる
求人票の「必須」を読み直します
募集要項には、必須条件と歓迎条件が分けて書かれていることがあります。必須の欄に書かれた経験年数、資格、業界経験を満たしていない場合、書類の出来にかかわらず通らないことがあります。まず、直近5社の必須条件を並べて、自分が満たしているかを確認してください。
満たしていない項目が毎回同じなら、そこが原因です
「実務経験3年以上」が毎回引っかかっているなら、応募先の選び方を変えるほうが早くなります。未経験可の募集、経験年数の指定がない募集、資格取得支援のある募集に切り替えると、同じ書類でも結果が変わることがあります。
職種名だけで応募していないか
同じ「営業」でも、扱う商材と相手が違えば求められる経験も違います。仕事の中身を読まずに職種名で応募していると、ズレが生まれます。募集要項の「1日の流れ」「担当する範囲」を読んでから応募してください。
②書類の作り込みを確かめる
要件を満たしているのに通らない場合、書類の側に原因があります。次の順で確認してください。
履歴書で落ちやすい箇所
- 志望動機が、どの会社にも当てはまる内容になっている。会社名を入れ替えても成立する文章は、読み手にも分かります。
- 職歴欄が社名と期間だけで、何をしていたか分からない。職務経歴書を添えていない場合、ここが空白だと判断材料がありません。
- 写真が古い、または不鮮明。3か月以内のものを使います。
- 年号が混ざっている、日付が古い。使い回しの印象になります。
- 空欄が多い。資格欄や本人希望記入欄が空のままだと、準備不足に見えます。
職務経歴書で落ちやすい箇所
- 担当業務が羅列されているだけ。何をしたかは分かっても、何ができるのかが伝わりません。
- 規模が書かれていない。人数、件数、金額、期間のいずれかがないと、仕事の大きさが判断できません。
- 応募先に関係のない経歴に紙面を割いている。読み手が知りたい部分が後ろに埋もれます。
- 3枚以上ある。長いほど、読まれない部分が増えます。
- 冒頭に要約がない。最初の数行で全体像が分からないと、読み進める判断がされません。
最初の10行で判断されています
書類はすべてを精読されるわけではありません。履歴書の職歴欄の並びと、職務経歴書の冒頭。この2か所で、続きを読むかどうかが決まります。直す順番も、この2か所からです。職務経歴書の冒頭(職務要約)の書き方は職務経歴書の書き方で解説しています。
③応募の進め方を確かめる
母数が足りているか
書類選考の通過率は、応募先の条件や時期によって大きく変わります。数社で結論を出すのは早すぎます。まず10社ほど応募したうえで、傾向を見てください。1社ごとに一喜一憂するより、傾向として何が起きているかを見るほうが原因にたどり着けます。
条件を絞りすぎていないか
勤務地、給与、休日、職種のすべてを固定すると、応募できる件数が極端に減ります。優先順位を付けて、譲れない条件を2つまでに絞ると、母数が確保できます。
同じ書類を出し続けていないか
通らないまま同じ書類を出し続けると、同じ結果が続きます。3社ごとに、志望動機と職務経歴書の冒頭を見直してください。結果が変わらないなら、直した場所が原因ではなかったということが分かります。志望動機の組み立て方は志望動機の書き方で解説しています。
書類選考で、実際に何が起きているか
1件あたりにかけられる時間は長くありません
採用担当者は、募集1件に対して多数の応募書類を確認します。1件ずつ精読していては終わらないため、まず要件に合うかどうかで仕分けをし、残ったものを読み込む流れになります。丁寧に書いたかどうかより先に、要件に合うかどうかで分かれているということです。
読み手は、面接で聞くことを探しています
書類を読む目的は、優劣を付けることだけではありません。「会って何を聞くか」を探しています。聞きたいことが1つも見つからない書類は、通す理由がない書類になります。逆に言えば、掘り下げたくなる具体的な記述が1か所でもあれば、通る可能性が生まれます。
比較されているのは、他の応募者です
自分の書類が悪かったとは限りません。同じ募集に、より条件の近い人が応募していただけということもあります。だからこそ、通らなかった1社の結果だけで自分の経歴を評価しないでください。
見直しの手順
すべてを一度に直そうとすると、何が効いたのか分からなくなります。次の順で1つずつ進めてください。
| 順番 | やること | 目安 |
|---|---|---|
| 1 | 直近5社の必須条件と自分の経歴を突き合わせる | 30分 |
| 2 | 職務経歴書の冒頭(職務要約)を書き直す | 30分 |
| 3 | 志望動機を、応募先ごとの内容に書き換える | 1社15分 |
| 4 | 履歴書の空欄と体裁を直す | 20分 |
| 5 | 次の3社で結果を見る | 2週間 |
職務要約の書き直しが、いちばん効きます
冒頭3〜5行で全体像を渡します
職務経歴書の冒頭に置く職務要約は、読み手が最初に読む部分です。ここで「何ができる人か」が分からないと、そのあとの詳細が読まれません。会社の羅列ではなく、経験の合計を要約してください。
【書き直す前】 2018年に株式会社○○に入社し、営業部に配属されました。その後2021年に株式会社△△へ転職し、現在まで営業職として勤務しております。 【書き直したあと】 法人向けの提案営業を通算7年間担当してまいりました。直近3年は既存のお客様30社を担当し、契約更新率を95%で維持しています。担当の引き継ぎ手順を整備し、後任が2週間で独り立ちできる体制を作りました。
前者は経歴の説明で、後者は能力の説明です。書いてある事実は同じでも、読み手が受け取る情報量が違います。
応募先の要件から言葉を借ります
募集要項に「既存顧客のフォロー」と書かれているなら、自分の経験の中でそれに当たる部分を先に書きます。求められている言葉と、書類に書かれている言葉が一致していると、読み手は照合しやすくなります。言葉を借りるだけで、経験を作り替える必要はありません。
やってはいけない直し方
- 経歴を大きく書き換える。事実と違う内容は、面接や在籍確認で露見します。
- 資格を「取得予定」として書き足す。受験もしていない資格を書くと、確認された時点で信頼を失います。
- 文字数を増やす。読まれない部分が増えるだけです。
- 写真を過度に加工する。実際の印象と違うと、面接で違和感が生まれます。
- 応募先を増やして、1社あたりの時間を削る。使い回しの書類が増え、通過率はさらに下がります。
不採用の理由は、基本的に教えてもらえません
応募先に理由を問い合わせても、回答が得られないことがほとんどです。採否の理由は開示しない方針の会社が多いためです。理由を求めるより、次の応募で確かめるほうが早く進みます。
エージェント経由なら、聞ける場合があります
転職エージェントを通した応募では、見送りの理由が担当者に伝えられることがあります。「経験年数が足りなかった」「他に経験者がいた」といった情報でも、①のズレなのか②の伝え方なのかを切り分ける材料になります。エージェントの使い方は転職エージェントの使い方にまとめています。
年齢や経歴を理由に落ちていると感じるとき
年齢や在籍期間のように、こちらで変えられない要素はあります。ただし、それが理由だと決めつけると、直せる部分まで手つかずになります。
- 直せないもの:年齢、これまでの在籍期間、保有していない資格
- 直せるもの:どの経験を前に出すか、応募先の選び方、書類の体裁と分かりやすさ
直せるものだけに時間を使ってください。直せない要素を補うのは、直せる部分の精度です。
Rirekisyでの直し方
Rirekisyは入力内容から書類を出力する形なので、志望動機だけを書き換えて出力し直すことができます。学歴・職歴・資格といった事実の部分は入力し直す必要がありません。応募先ごとに書き換えるのは、志望動機と自己PRの冒頭だけです。
職務経歴書側では、編年式と逆編年式を切り替えられます。直近の経験を先に読ませたい場合は逆編年式にすると、冒頭に置かれる内容が変わります。職務要約と自己PRには「AIで作成」のボタンがありますが、生成された文章は下書きです。そのまま出すのではなく、応募先の要件に合わせて自分の言葉に直してから使ってください。
よくある質問
Q. 書類を見直したのに、結果が変わりません
直した場所が原因ではなかった、ということが分かった状態です。次は別の場所を1か所だけ変えてください。一度に全部を変えると、何が効いたのか分からなくなります。それでも変わらない場合は、書類ではなく応募先の選び方に原因がある可能性が高くなります。必須条件との突き合わせに戻ってください。
Q. 応募を続けるうちに、志望動機が雑になってきました
応募数を減らすか、応募先の選定基準を絞ってください。数を追うほど1社あたりの時間が減り、通過率が下がるという悪循環になります。書類の質が落ちていると自覚できている時点で、いったん立ち止まるほうが早く進みます。
Q. 何社くらい落ちたら、書類を見直すべきですか
5社ほど続けて通らなければ、見直しの合図です。ただし、応募先の条件がばらばらであれば、まず要件との突き合わせから確認してください。
Q. 応募書類は毎回作り直すのですか
事実の部分は使い回せます。書き換えるのは志望動機と、職務経歴書の冒頭です。ここを使い回すと通過率が下がります。
Q. 職務経歴書を長くしたほうが伝わりますか
逆です。長いほど読まれない部分が増えます。2枚以内に収め、応募先に関係する経歴に紙面を割いてください。
Q. 写真で落ちることはありますか
写真だけで判断されることは少ないものの、古い写真や不鮮明な写真は準備不足の印象になります。3か月以内に撮影したものを使ってください。
Q. 手書きにすれば通りやすくなりますか
変わりません。指定がなければ、どちらでも構いません。時間があるなら、その時間は志望動機の作り込みに使ったほうが効果があります。
Q. 応募先に、不採用の理由を聞いてもよいですか
聞くこと自体は問題ありませんが、回答が得られないことがほとんどです。次の応募に時間を使うほうが前に進みます。
Q. 同じ会社に再応募できますか
会社の方針によります。一定期間を空ければ受け付ける会社もあります。再応募する場合は、前回から自分に何が増えたのかを書いてください。同じ書類では結果は変わりません。
Q. 転職回数が多いことが理由でしょうか
それだけで判断されるとは限りません。直近の在籍期間と、応募職種とのつながりが示せているかを先に確認してください。
Q. 職務経歴書を出さない応募で、何を書けば伝わりますか
履歴書の職歴欄に、業務内容を1行だけ添えてください。社名と期間だけでは、何をしていた人か分かりません。
Q. 応募からどのくらいで結果が来ますか
1〜2週間が目安ですが、会社によって差があります。募集の締切後にまとめて選考する会社もあるため、返事がないこと自体を結果と受け取らないでください。2週間を過ぎても連絡がなければ、問い合わせて構いません。
Q. 応募書類は返却されますか
返却する会社と、責任をもって破棄する会社があります。募集要項に書かれていることが多いので確認してください。返却されない前提で、控えを手元に残しておきます。
Q. 書類が通ったのに、面接で落ちます
書類と面接で話す内容がずれている可能性があります。書類に書いたことを掘り下げられて答えられないと、その場で評価が下がります。提出した書類の控えを見返してから面接に臨んでください。
Q. 未経験の職種に応募していますが、まったく通りません
未経験可の募集を選べているかを確認してください。そのうえで、応募先の仕事を動作の単位に分解し、自分の経験と重なる部分を書類に書きます。「未経験ですが頑張ります」だけでは判断材料になりません。
Q. エージェントに任せていれば書類は通りますか
通過率が上がることはありますが、書類の中身は本人にしか書けません。担当者が整えるのは体裁と出し方までです。経験の中身は自分で書いてください。