公開日:2026年9月8日

手書きの履歴書を最後まで書いて、氏名の一文字を間違えていることに気づく。よくある場面です。結論から言えば、履歴書に修正の跡を残すことはできません。ただし、書き直す以外の道もあります。時間がないときにどうするかまで含めて整理します。

結論:書き直します
履歴書は、提出先が保管する公的な性格の書類です。訂正の跡があるものは、正式な書類として扱いにくくなります。間違えたら、原則として新しい用紙に書き直してください。
修正液・修正テープは使えません
白く塗ってその上に書くと、あとから内容を書き換えたのか判別できなくなります。書類の性質上、これは避けたい状態です。契約書や公的な申請書で修正液が使えないのと同じ理由です。
二重線と訂正印も、履歴書では使いません
社内の書類では、二重線を引いて訂正印を押す方法が使われます。ただし応募書類では、訂正の跡そのものが「そのまま出した」という印象になります。訂正印の押し方が正しいかどうかではなく、跡を残さないほうがよいという判断です。
例外は、提出後に判明した重大な誤りだけです
すでに提出したあとで、連絡先の間違いのように選考に支障が出る誤りに気づいた場合は、書き直して差し替えるか、応募先に連絡します。この場合の手順は後述します。
書き直す前に、確認すること
間違えた場所によって、書き直す範囲が変わります
| 間違えた場所 | 対応 |
|---|---|
| 氏名・生年月日・住所・連絡先 | 書き直す(誤りが残ると連絡が取れない) |
| 学校名・会社名・年月 | 書き直す(事実の申告に関わる) |
| 志望動機・自己PRの誤字 | 書き直す(読み手が最初に目を留める箇所) |
| 下書きの跡・薄い線 | 消えていれば問題なし |
複数枚の様式なら、間違えた紙だけを書き直します
A4を2枚で作る様式であれば、間違えたページだけを書き直せます。A3の見開き1枚の場合は、全体を書き直すことになります。手書きで作る場合は、この点も様式選びの材料になります。
書き直す時間がないときの選択肢
1.パソコンで作り直す
手書きの指定がない場合、いちばん確実で早い方法です。入力すれば体裁が整った状態で出力できるため、書き損じという概念がなくなります。締切が迫っているときは、この選択肢を先に検討してください。
2.コンビニで用紙を買って書き直す
履歴書用紙は、コンビニエンスストアや100円ショップでも扱われていることがあります。深夜でも入手できる可能性があるという点で、手書きにこだわる場合の現実的な手段です。
3.締切を優先する
どうしても間に合わない場合、提出が遅れることのほうが不利になります。締切に間に合わせることを優先し、間違いが軽微であれば、そのまま提出するという判断もあります。ただし氏名・連絡先・年月の誤りは、この判断の対象にしないでください。
間違いが起きやすい箇所
書き直しを減らすには、間違えやすい場所を先に知っておくことです。
- 年号の混在。学歴で西暦、職歴で和暦になっている。
- 入学と卒業の年。1年ずれる。特に早生まれの人。
- 会社名・学校名の略記。「(株)」「○○高校」と書いてしまう。
- ふりがなの種類。「ふりがな」欄にカタカナで書いてしまう。
- 日付。書いた日を書いてしまう(正しくは提出日)。
- 志望動機の社名。前に応募した会社の名前が残っている。
- 「以上」の書き忘れ。職歴欄の最後に必要。
- 記入枠からのはみ出し。文字が大きく、最後の行が入らない。
書き損じの半分は、下書きで防げます
いきなり本番の用紙に書くと、行数が合わなくなったところで書き直しになります。別の紙に、志望動機と自己PRの文章を確定させてから清書してください。文字数ではなく、1行あたり何文字入るかを数えて配分すると、収まりやすくなります。志望動機の組み立て方は志望動機の書き方で解説しています。
手書きで書くときの手順
| 順番 | 作業 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | 材料を集める(学校名・会社名・年月・資格) | 途中で調べ始めると手が止まる |
| 2 | 志望動機・自己PRを別紙で確定させる | 枠に収まる量を先に決める |
| 3 | 鉛筆で薄く下書きする | 行数と文字の大きさを確認する |
| 4 | 黒のボールペンで清書する | 消えるペンは使わない |
| 5 | 完全に乾いてから消しゴムをかける | インクが伸びると書き直しになる |
| 6 | 写真を貼る | 先に貼ると書きにくく、汚れの原因になる |
消えるボールペンは使わないでください
摩擦で消えるタイプのペンは、高温になると文字が消えます。郵送中や保管中に読めなくなる可能性があるため、応募書類には使いません。黒のボールペン、または油性のサインペンを使ってください。
パソコンで作った場合の直し方
データを直して、出力し直します
パソコンで作成した場合、修正の跡は残りません。入力内容を直して、もう一度出力するだけです。手書きとの最大の違いはここです。パソコンで作るときの注意はパソコンでの履歴書の作り方で解説しています。
印刷済みの用紙に手書きで足さないでください
印刷した履歴書に、あとから手書きで書き足すと、体裁がそろわなくなります。書き足したい内容がある場合も、データ側に入力してから印刷し直してください。
PDFで提出した場合
すでに送信したPDFに誤りがあった場合は、修正したPDFを作り直し、応募先に連絡したうえで差し替えを依頼します。同じファイル名で送ると、どちらが新しいか分からなくなるため、ファイル名に「修正版」と入れてください。
そもそも書き損じを減らす準備
用紙は最初から2〜3枚用意します
手書きで作るなら、1枚で仕上げようとしないでください。予備がないと、間違えた瞬間に「このまま出すしかない」という判断に追い込まれます。予備が手元にあるだけで、落ち着いて書き直せます。市販の履歴書は複数枚が1組になっていることが多いので、開封時に残り枚数を確認しておきます。
疲れた状態で清書しない
書き損じは、集中が切れた後半の欄で起きます。特に志望動機のように文字数の多い欄を最後に書くと、手が疲れて字が乱れ、書き直しになります。時間を分けて、清書は最初から通しでやってください。途中で中断すると、前半と後半で字の大きさが変わります。
固有名詞は、書きながら調べない
学校名、会社名、資格の正式名称。これらを書きながら調べると、手が止まり、行の配分が崩れます。すべて先に一覧にしておき、清書中は見るだけの状態にしてください。書き損じの原因の多くは、この準備不足です。
枠の大きさを、先に測ります
志望動機の欄に何行入るか、1行に何文字入るかを最初に数えます。文字を大きく書き始めて途中で小さくすると、体裁が崩れて書き直しになります。だいたいの目安として、欄の高さを行数で割ると1行の高さが出ます。
提出後に間違いに気づいたとき
連絡すべき誤りと、しなくてよい誤り
| 内容 | 対応 |
|---|---|
| 電話番号・メールアドレスの誤り | すぐ連絡する(連絡が取れない) |
| 氏名・生年月日の誤り | 連絡する(本人確認に関わる) |
| 在籍期間・学校名の誤り | 連絡する(経歴の申告に関わる) |
| 志望動機の軽い誤字 | 連絡しない(かえって手間をかける) |
| 他社の社名が残っていた | 連絡して差し替えを依頼する |
連絡のしかた
電話かメールで、簡潔に伝えます。長い謝罪より、どこが誤りで、正しくは何かを先に伝えてください。
お世話になっております。○月○日に応募書類をお送りいたしました○○と申します。 お送りした履歴書の電話番号に誤りがございました。 正しくは 000-0000-0000 です。 お手数をおかけし申し訳ございません。差し替えが必要でしたら、すぐにお送りいたします。
誤字の見つけ方
書いた直後には見つかりません
清書した直後は、自分が書こうとした文章が頭に残っているため、実際に書かれている文字ではなく、意図した文章を読んでしまいます。時間を置いてから読み返してください。一晩置ければ理想ですが、難しければ、他の欄を書いてから戻るだけでも効果があります。
声に出して読むと、抜けが見つかります
黙読では、助詞の抜けや重複を読み飛ばします。小さな声で読み上げると、文として不自然な箇所で引っかかります。志望動機と自己PRは、この方法で確認してください。
固有名詞は、1文字ずつ照合します
会社名や学校名は、文章として読むと合っているように見えます。求人票や公式サイトの表記と、1文字ずつ突き合わせてください。特に「ヶ」と「ケ」、「髙」と「高」、「﨑」と「崎」は見落としやすい部分です。
書き損じた用紙の扱い
書き損じた履歴書には、氏名・住所・生年月日・連絡先といった個人情報が書かれています。そのまま捨てないでください。細かく裁断するか、判読できない状態にしてから処分します。写真を貼ってしまったものは、写真をはがしてから処分してください。
Rirekisyを使う場合
Rirekisyは入力して出力する形なので、書き損じが発生しません。誤りに気づいたら、その項目を直してもう一度出力するだけです。入力内容はブラウザに残るため、途中で閉じても続きから再開できます。
提出前の確認は、プレビューで実際の仕上がりを見るのが確実です。枠からあふれていないか、年号が混ざっていないかは、出力される形で見ると気づきやすくなります。
共用のパソコンやネットカフェで作った場合は、端末からデータを削除するボタンで入力内容を消してから離れてください。書き損じた紙と同じで、残しておくと個人情報がそのまま残ります。
よくある質問
Q. パソコンで作れば、書き間違いの心配はなくなりますか
書き損じによる書き直しはなくなりますが、誤字そのものは残ります。入力ミスや変換の誤りは手書きより起きやすい面もあります。出力する前にプレビューで実際の仕上がりを確認し、固有名詞は求人票と1文字ずつ照合してください。直せる手段があることと、確認が要らないことは別の話です。
Q. 手書きの履歴書をコピーして、それを提出してもよいですか
提出しないでください。コピーは原本ではなく、線の濃さや紙質から見て分かります。同じ内容を複数社に出したことも伝わります。応募先ごとに1枚ずつ用意してください。
Q. 修正テープを使ってしまいました。出しても大丈夫ですか
時間があれば書き直してください。締切に間に合わない場合は、そのまま出すことになりますが、氏名や連絡先の部分であれば書き直しを優先します。
Q. 二重線と訂正印なら許されると聞きました
社内文書ではその方法が使われますが、応募書類では跡を残さないほうが無難です。書き直せる状況なら書き直してください。
Q. 下書きの鉛筆の線が残っています
インクが完全に乾いてから、消しゴムで丁寧に消してください。乾く前にこすると、インクが伸びて書き直しになります。
Q. 写真を曲がって貼ってしまいました
はがせる場合ははがして貼り直します。跡が残る場合は、書き直したほうが体裁は良くなります。写真は最後に貼ると、この失敗が減ります。
Q. 印鑑の押し忘れに気づきました
厚生労働省の様式例には押印欄がありません。押印欄がある様式で押し忘れた場合は、押してから提出してください。
Q. 何枚も書き損じてしまいます
下書きの工程が抜けている可能性があります。別紙で文章を確定させ、鉛筆で薄く下書きしてから清書する手順に変えてください。それでも続く場合は、パソコンで作成する方法に切り替えるほうが早く終わります。
Q. 書き直した履歴書の日付は、いつにしますか
提出日です。書き直した日ではありません。
Q. 応募先から返却された履歴書を、別の会社に使い回せますか
使わないでください。日付が古いままになるうえ、志望動機がその会社向けに書かれています。応募先ごとに作り直すのが前提です。
Q. 手書きの指定があるのに、時間が足りません
指定に従ってください。手書きの指定を無視してパソコンで出すと、指示を読んでいないと受け取られます。間に合わない場合は、提出方法について応募先に相談するほうが確実です。
Q. 応募先の社名を間違えて書いてしまいました
書き直してください。応募先の社名の誤りは、他の誤字とは扱いが違います。前に応募した会社の名前が残っている場合は、特に印象が悪くなります。
Q. 封をしたあとで、書き間違いに気づきました
投函前であれば、封を開けて差し替えてください。開封の跡が残った封筒は使わず、新しい封筒に入れ直します。投函後であれば、誤りの内容によって対応が変わります。
Q. 数字の書き間違いも書き直しですか
年月や電話番号の数字は、事実に関わるので書き直します。読み手が正しい情報を得られないためです。
Q. 書き直す時間がなく、鉛筆の下書きの跡が残ったまま提出しました
薄い跡であれば、大きな問題にはなりません。次回からは、インクが乾いてから消しゴムをかける手順にしてください。
Q. 職務経歴書を間違えた場合も、書き直しですか
職務経歴書はパソコンで作ることがほとんどなので、データを直して出力し直します。手書きの場合は履歴書と同じ扱いです。