公開日:2026年9月8日
転職回数が多いと、書く前から不利だと感じてしまいがちです。ただ、書類の段階で問題になるのは回数そのものより、経歴が読み取れないことのほうです。この記事では、省略せずに読みやすく並べる方法と、回数の多さを説明に変える組み立て方を確認していきます。
先に、事実として押さえておくこと
「何回から多い」という基準はありません
採用の判断は業界と年齢によって変わります。人の入れ替わりが前提の業界では回数が問題にならないこともあり、逆に長く勤めることを前提にした職種では気にされることもあります。一律の基準は存在しません。数を気にするより、経歴が読める形になっているかを整えるほうが効果があります。
採用側が見ているのは、回数ではなく並び方です
回数が多い履歴書を見たとき、採用側が確認するのは次の3点です。
- 在籍期間が短くなり続けているか、それとも安定してきているか
- 職種や業界がつながっているか、毎回まったく違うか
- 辞めた事情に、本人の意思以外のもの(契約満了・倒産など)が含まれるか
この3つに答えられる形で並んでいれば、回数が多くても書類は通ります。
職歴は省略できません
書かないと経歴詐称になります
短期間で辞めた会社を書かずにおくと、経歴の申告漏れになります。雇用保険や社会保険の記録、源泉徴収票、前職への在籍確認などから食い違いが出ることがあります。入社後に発覚すると、退職を求められる可能性もあります。不利に見えても、事実は書いてください。
書かなくてよいのは、雇用関係がないものだけです
単発の手伝いや、雇用契約を結んでいない業務委託の短期案件などは、職歴として書かないこともあります。判断に迷う場合は、社会保険や雇用保険に加入していたかどうかを目安にしてください。
行が足りないときの詰め方
職歴の行数が足りない場合、削る順番が決まっています。上から順に削ってください。
| 順番 | 削るもの | 考え方 |
|---|---|---|
| 1 | 業務内容の説明 | 職務経歴書に書くので履歴書では省ける |
| 2 | 部署名・支店名 | 会社名と期間が残れば経歴は追える |
| 3 | 入社と退社の行の分割 | 1社1行にまとめる(後述) |
| 4 | 学歴の細目 | 中学校卒業を省き、高校入学から書く |
削ってはいけないのは、会社の正式名称・入社と退社の年月・退職理由の一行です。ここが欠けると経歴が読めなくなります。退職理由の一行の書き方は退職理由の書き方で解説しています。
1社1行にまとめる書き方
通常は入社と退社で2行を使いますが、行数が足りない場合は1行にまとめても構いません。
令和3年4月 株式会社○○ 入社 令和5年3月 一身上の都合により退職
ただし、1枚の履歴書の中で2行の会社と1行の会社を混ぜないでください。どちらかに統一します。
それでも入らない場合
職歴欄が2ページある様式を選ぶか、パソコンで作成して行数を調整します。文字を小さくして詰め込むと読みにくくなるため、様式のほうを変えるほうが確実です。
「まとめ書き」が許される範囲
派遣やアルバイトの経験が多い場合に限り、まとめて書く方法があります。正社員の経歴をまとめることはできません。
派遣の場合
雇用されているのは派遣元なので、派遣元ごとにまとめ、就業先は業務内容として添えます。
令和2年4月 株式会社△△(人材派遣)に登録 以下の企業に就業 ・○○株式会社 経理業務(令和2年4月〜令和3年3月) ・□□株式会社 営業事務(令和3年4月〜令和4年9月) 令和4年9月 派遣契約期間満了により退職
アルバイトの場合
正社員の職歴が中心の履歴書であれば、アルバイトの経歴は応募先に関係するものだけを選んで書けば足ります。すべてを並べる必要はありません。
並びに一貫性を持たせます
ばらばらに見える経歴でも、共通しているものを1つ見つけると、読み手の理解が変わります。
共通点の探し方
| 軸 | 例 |
|---|---|
| 職種 | 業界は違うが、いずれも接客と売り場管理 |
| 相手 | いずれも法人が相手で、担当者と長く付き合う仕事 |
| 役割 | いずれも立ち上げ直後や人が入れ替わる時期に入っている |
| 能力 | いずれも短期間で手順を覚え、独り立ちを求められた |
見つけた共通点は、履歴書の志望動機欄や職務経歴書の冒頭で一言触れます。並びの意味を、こちらから先に示すということです。職務経歴書の冒頭の書き方は職務経歴書の書き方で解説しています。
共通点が本当にない場合
無理に作らないでください。その場合は、直近の経歴と応募先のつながりだけを説明します。過去すべてを正当化する必要はありません。
職務経歴書で補います
会社ごとに一行、事情を添えます
本人の意思ではない退職(契約満了・事業所閉鎖・人員整理)が含まれる場合、職務経歴書で会社ごとに一行だけ添えると、経歴の読み方が変わります。
株式会社○○(2021年4月〜2023年3月)※事業所閉鎖に伴い退職
様式は逆編年式が向くことがあります
職務経歴書には、古い順に書く編年式と、新しい順に書く逆編年式があります。直近の経験を先に読ませたい場合は逆編年式が向きます。転職回数が多く、直近の職種で応募する場合はこちらを選ぶと、関係のある経験から読んでもらえます。
まとめて説明する欄を作ります
冒頭の職務要約で、経歴全体を3〜5行に圧縮します。ここで一貫性を示せていれば、そのあとの各社の記述が短くても読み進めてもらえます。
書き始める前に、経歴の棚卸しをします
会社数が多いほど、記憶だけで書くと日付がずれます。書き始める前に、次の3つを一覧にしてください。手間はかかりますが、ここを作っておくと、以降の応募でそのまま使い回せます。
1.在籍期間を、月単位で確定させます
入社年月と退職年月を、書類で確認します。源泉徴収票には在籍していた年が、離職票には離職年月日と離職区分が載っています。年金記録の照会でも、加入していた期間を確認できます。「たしか3月まで」で書くと、在籍確認のときに食い違いが出ます。
2.退職の事情を、区分で仕分けます
自己都合、会社都合、契約満了の3つに分けます。この仕分けをしておくと、本人の意思ではない退職がいくつあるのかがはっきりします。会社数が多くても、そのうち半分が契約満了や事業所閉鎖であれば、経歴の見え方はまったく違ってきます。
3.各社で任された範囲を、動作で書き出します
役職名ではなく、実際にやっていたことを書き出します。何人を相手にしたか、何件を扱ったか、誰に引き継いだか。この一覧が、そのまま職務経歴書と自己PRの材料になります。会社ごとに3行もあれば十分です。
回数が多い人ほど、応募先を絞ったほうが通ります
数を打つと、書類の質が落ちます
不安から応募数を増やすと、1社あたりにかけられる時間が減り、どの会社にも当てはまる書類になります。転職回数が多い場合、書類には「なぜこの会社なら続くのか」の説明が求められます。この説明は、応募先ごとに違う内容にしかなりません。使い回しの書類では、いちばん問われている部分が空白のまま出ることになります。
求人票を、条件ではなく体制で読みます
給与や休日だけで選ぶと、前回と同じ理由で辞める確率が上がります。見るべきなのは、募集の背景(増員か欠員か)、1日の仕事の流れ、教える人がいるかどうか、評価の基準が示されているかどうかです。ここが自分の続けられる条件と合っているかを、応募の前に確かめてください。
在籍期間が短くなった原因を、自分の言葉にします
原因が分かっていない状態で応募を続けると、同じことが繰り返されます。入社前に確認しなかったことが原因なのか、業務の量なのか、人との距離の取り方なのか。ここを一度言葉にしておくと、面接で「次も辞めるのでは」と聞かれたときに、決意ではなく事実で答えられるようになります。
面接での説明のしかた
1社ずつ説明しないでください
すべての会社について理由を並べると、話が長くなり、言い訳の印象が強くなります。全体を1つの流れとして説明し、詳しく聞かれた会社だけ答える形にしてください。
説明の型
| 順番 | 話すこと |
|---|---|
| ①全体 | これまでの経歴を一言でまとめる |
| ②区分 | 本人の意思以外の退職があれば、そこを先に伝える |
| ③現在 | いま何ができるようになったか |
| ④今後 | 次は何を続けたいか(応募先とつなげる) |
接客と店舗運営を軸に、業態の違う4社で経験を積んできました。うち2社は店舗の閉鎖に伴う退職です。直近の3年間は売り場の管理と新人教育を任されており、次はこの経験を長く積み上げられる職場で働きたいと考えております。
「次も辞めるのでは」への答え
この懸念は必ずあると考えてください。答えるときは、決意ではなく条件で答えます。何が揃っていれば続けられるのかを自分で把握していることが伝われば、説得力が出ます。
年代によって、見られ方が変わります
| 年代 | 見られやすい点 | 対策 |
|---|---|---|
| 20代 | 定着するかどうか | 直近の在籍期間が伸びていることを示す |
| 30代 | 専門性が積み上がっているか | 職種の共通点と、任された範囲の広がりを示す |
| 40代以上 | すぐ戦力になるか、周囲と働けるか | 直近の実績と、引き継ぎ・育成の経験を示す |
履歴書の他の欄で、印象は補えます
免許・資格欄は、続けてきた証拠になります
在籍期間が短くても、資格の取得年月が並んでいれば、学び続けてきたことが分かります。特に、同じ分野の資格を段階的に取得している場合は、職種の一貫性を示す材料になります。取得年月順に並べて、抜けがないようにしてください。
本人希望記入欄で、条件を先に伝えます
働ける時間や勤務地に条件がある場合、ここで先に伝えておくほうが、入社後の食い違いを防げます。条件を隠して入社し、合わずに短期間で辞めることが、回数をさらに増やす原因になります。書けるのは事実の条件だけで、要望を並べる欄ではない点には注意してください。
写真と体裁は、回数と関係なく効きます
経歴に不安があるときほど、書類そのものの体裁が効きます。写真が古い、文字がそろっていない、年号が混ざっている、といった減点は、経歴の中身を見てもらう前の段階で起きます。ここは準備でそのまま消せる減点です。
Rirekisyで作る場合
Rirekisyでは、職歴を入社と退社の行として1件ずつ入力していきます。会社数が多い場合でも、入力した内容はブラウザに残るので、途中で閉じても続きから再開できます。
入力した基本情報や学歴・職歴は、職務経歴書を作るときにも引き継がれます。履歴書で入力した会社と期間をもう一度打ち直す必要はありません。職務経歴書側では、編年式と逆編年式を切り替えられます。
よくある質問
Q. 履歴書の職歴欄を、職務経歴書より簡潔にしてもよいですか
構いません。むしろその形が標準です。履歴書は社名と期間、職務経歴書で担当業務と成果を書きます。ただし、社名と在籍期間は2枚で一致させてください。
Q. 短期間の会社を、あえて書かないほうが通りやすいのではないですか
通りやすくなることはあっても、入社後に発覚したときの不利益のほうが大きくなります。雇用保険や源泉徴収票の記録から食い違うことがあります。事実は書いてください。
Q. 試用期間中に辞めた会社も書きますか
書きます。在籍していた事実は変わりません。期間が短い理由を、面接で説明できるようにしておいてください。
Q. 職歴欄に入りきりません。別紙を付けてもよいですか
まず様式を変えるか、パソコンで行数を調整することを考えてください。それでも入らない場合は、職務経歴書で詳細を補います。履歴書に別紙を付けるより、職務経歴書に寄せるほうが自然です。
Q. 転職回数が多いと、書類選考で自動的に落とされますか
応募先の方針によります。ただし多くの場合、判断されるのは回数だけではなく、直近の在籍期間と、応募職種との関係です。直近が短い場合はそこを補う説明が要ります。
Q. 同じ会社に出戻りしています。どう書きますか
時系列どおりに2回書きます。1回目の退職と2回目の入社を、それぞれの行で書いてください。出戻りは経歴として説明しやすい部類です。
Q. アルバイトと正社員が交互になっています
雇用形態を会社名の後ろに(アルバイト)のように添えると読みやすくなります。形態が変わっていること自体は問題ではありません。
Q. 数か月で辞めた会社が続いています。どう説明しますか
1社ずつではなく、期間全体をまとめて説明してください。そのうえで、直近で何が変わったのかを具体的に伝えます。事情が続いた時期があることは珍しくありません。
Q. 職務経歴書は何枚まで許されますか
2枚が目安です。会社数が多い場合でも、古い経歴は行数を圧縮し、直近3社に紙面を割いてください。
Q. 履歴書と職務経歴書で、会社数が合わなくても構いませんか
合わせてください。職務経歴書で古い経歴を圧縮する場合でも、社名と期間は残します。数が食い違うと、隠していると受け取られます。
Q. 派遣期間中の就業先をすべて書くと長くなります
応募先に関係するものを選び、残りは「他3社」のようにまとめて構いません。ただし、期間の合計が分かるようにしておいてください。