公開日:2026年9月8日

趣味・特技欄は、点数が付く欄ではありません。ただし、面接の最初の話題として使われることが多い欄です。ここに書いたものは、ほぼ確実に聞かれると考えてください。この記事では、聞かれる前提で何を選び、どう書くかを整理します。
まず、手元の様式を確認します
独立した欄がある様式と、ない様式があります
厚生労働省が2021年4月に公表した様式例では、この部分は「志望の動機、特技、好きな学科、アピールポイントなど」という1つの欄にまとまっています。趣味だけの独立した欄はありません。一方、市販の履歴書や学校指定の用紙には「趣味・特技」の欄が独立しているものがあります。様式例のほかの欄の書き方は履歴書の書き方で解説しています。
| 様式 | 書き方 |
|---|---|
| 趣味・特技欄が独立している | 2〜3項目を、補足つきで書く |
| 志望動機と同じ欄(厚労省様式例) | 志望動機を優先し、余白があれば特技を1行添える |
| 欄がない | 書かない。面接で聞かれたときに答えられれば足りる |
欄があるのに空欄はよくありません
用意された欄を空けたままにすると、準備をしていない印象になります。1行でも埋めてください。書くことがないと感じる場合の探し方は後述します。
この欄で見られていること
趣味の内容そのものが評価されるわけではありません。読み手が見ているのは次の3点です。
- 続けられる人か。期間が書いてあると、続ける力の目安になります。
- 人となりが分かるか。面接の入り口として、話が広げられるかどうか。
- 仕事につながる面があるか。体力、集中力、段取り、人との関わり方など。
珍しい趣味である必要はありません。ありふれた内容でも、続けている期間と具体性があれば十分に伝わります。
選ぶときの基準
1.自分が5分話せるもの
面接で必ず聞かれます。話を広げられないものを書くと、その場で沈黙が生まれます。「どのくらい続けていますか」「きっかけは」「いちばん大変だったことは」に答えられるかを、書く前に確認してください。
2.続けている期間が言えるもの
「3年ほど続けています」「月に2回のペースです」といった情報が入ると、内容が具体的になります。始めたばかりのものより、続いているものを選びます。
3.応募先の仕事と接点があるもの
無理に結びつける必要はありませんが、接点があるなら選びます。体力を使う仕事なら運動の習慣、正確さが要る仕事なら手先を使う趣味、人と接する仕事なら人が集まる場での活動。結びつけるのは選ぶ段階までで、文章で強引に説明しないでください。
書き方は「一言+補足」です
単語だけを並べると、何も伝わりません。項目名のあとに、具体的な一文を添えます。
| 書き方 | 例 |
|---|---|
| 単語だけ(伝わらない) | 読書、映画鑑賞 |
| 一言+補足(伝わる) | 読書(月に3冊ほど。実用書が中心で、読んだ内容は要点だけノートに残しています) |
補足に入れるとよい要素
- 頻度または期間(週に1回、3年間)
- 具体的な対象(どんな分野か、どんな種目か)
- そこでの自分の役割(続けている工夫、任されている係)
数は2〜3項目までにします
多く並べても、1つあたりの情報が薄くなります。2〜3項目に絞り、そのぶん補足を厚くしてください。
種類別の書き方
運動・スポーツ
特技:フットサル(社会人リーグに6年間所属し、直近2年は10人のチームの連絡係を担当しています)
体力だけでなく、続けていることと、チーム内での役割が伝わります。応募先が交代勤務や現場作業を含む場合、体力の裏づけとして読まれます。
ものづくり・手作業
趣味:料理(週に4日は自炊しています。作り置きの手順を決めてから、平日の調理時間が半分になりました)
段取りを工夫していることが伝わります。工程を組み立てる仕事との相性がよい書き方です。
学習・資格の勉強
特技:簿記の学習(日商簿記2級を独学で取得しました。現在は1級の範囲を朝の時間で学習しています)
資格そのものは免許・資格欄に書くので、ここでは学習を続けている習慣のほうを書きます。
音楽・芸術
趣味:ピアノ(小学生のころから続けており、年に1回、地域の発表会に参加しています)
長く続けていること自体が材料になります。人前で演奏する機会があれば、緊張する場面に慣れていることも伝わります。
旅行・外出
趣味:一人旅(年に2回ほど、行き先と移動手段を自分で組み立てて出かけます。乗り継ぎの計画を立てるのが好きです)
「旅行が好きです」で止めず、自分が何をしているかまで書くと具体的になります。
書かないほうがよいもの
- ギャンブル。趣味として書くと、金銭感覚を心配されることがあります。
- 政治・宗教に関わる活動。採用の場で扱う話題ではありません。
- 危険性の高いもの。書いても構いませんが、業務への影響を聞かれる可能性があります。
- 「特になし」だけ。欄がある以上、何かは書いてください。
- 実際にはやっていないもの。面接の深掘りで答えられなくなります。
- 「寝ること」「食べること」。冗談として書くと、準備不足と受け取られます。
お酒の扱い
「飲み会が好き」といった書き方は避けたほうが無難です。人と集まる場が好きだという趣旨であれば、活動の内容(社会人サークルの運営など)に置き換えて書いてください。
思いつかないときの探し方
直近1か月で、繰り返しやったことを書き出します
特別なものを探そうとすると出てきません。日常の中で繰り返していることを書き出してください。散歩、料理、動画での学習、家計の管理、家庭菜園。繰り返しているという事実が、そのまま材料になります。
お金や時間を使っているものを探します
何にお金を使ったか、何に時間を使ったかを振り返ると、自分の関心が見えます。習慣として続いているものは、多くの場合そこにあります。
人から言われたことを思い出します
「よく作るね」「詳しいね」と言われたことがあれば、それが他人から見た特技です。自分では当たり前だと思っていることのほうが、周囲には特徴として見えています。
職種によって、選ぶと効きやすいもの
無理に結びつける必要はありませんが、複数の候補で迷ったときは、応募先の仕事と接点のあるほうを選びます。
| 応募先 | 選ぶと接点が生まれやすいもの |
|---|---|
| 営業・接客 | 人が集まる場での活動、続けている習い事、地域の行事の手伝い |
| 事務・経理 | 家計や記録の管理、手先を使う趣味、資格の学習 |
| 製造・技術 | ものづくり、機械いじり、体を動かす習慣 |
| 介護・医療 | 体力を保つ習慣、長く続けている地域活動 |
| 運転を伴う仕事 | ドライブ、自転車、長距離の移動を伴う趣味 |
接点がなくても書いて構いません
仕事と関係のない趣味を書いたからといって、減点されることはありません。この欄は、仕事の能力を証明する場所ではありません。むしろ、まったく違う分野のことを続けている人だと分かるほうが、面接の会話は広がります。
1つも思いつかない場合の書き方
「特になし」より、日常のことを1行
趣味と呼べるほどのものがないと感じる場合でも、繰り返していることは必ずあります。散歩、料理、掃除、動画での学習、家族との外出。趣味という言葉を重く受け取らないでください。読み手が知りたいのは、休みの日にどんな時間の使い方をする人か、という程度のことです。
趣味:散歩(休日は1時間ほど歩くようにしています。近所の店の入れ替わりを見るのが面白く、3年ほど続いています)
特技は「人より少し慣れていること」で足ります
特技は、賞を取った経験や資格が必要なものではありません。人より少し慣れていることで構いません。早く覚える、手順を整える、荷物をきれいに詰める、地図を読む。仕事の場面で役に立つ小さな慣れは、そのまま書けます。
アルバイト・パートの応募では
応募先が知りたいのは、シフトに入れるか、体力があるか、人と問題なくやれるかです。趣味・特技欄も、その判断につながるものを選ぶと効きます。ただし、シフトや勤務条件そのものは本人希望記入欄に書いてください。ここに条件を書くと、読み手が混乱します。
面接で聞かれたときの答え方
結論から答え、そのあとに理由を添えます
「なぜ続けているのですか」と聞かれたら、まず一言で答え、次に具体的な出来事を1つ話します。長く話す必要はありません。1分程度で切り上げ、相手の反応を見てください。
仕事と無理に結びつけないでください
「この趣味で培った忍耐力を貴社で活かします」といった結び方は、聞き手に作り話の印象を与えます。趣味は趣味として話し、仕事との接点は聞かれてから答えれば十分です。
Rirekisyで書く場合
Rirekisyは厚生労働省の様式例に沿っているため、特技やアピールは志望の動機と同じ欄に入力します。志望動機を書いたあと、余白に収まる範囲で1行添える形が収まりよく仕上がります。志望動機の組み立て方は志望動機の書き方で解説しています。
入力した内容はブラウザに残るため、応募先ごとに志望動機だけを書き換える使い方ができます。仕上がりはその場でプレビューを確認できるので、欄からあふれていないかを、出力前に確かめてください。
よくある質問
Q. この欄は、採用の判断にどのくらい影響しますか
合否を左右する欄ではありません。ただし、面接の最初の話題として使われることが多い欄です。ここに書いた内容から会話が始まり、その場の空気が決まることがあります。点数が付かない欄だからと空欄にせず、話が続く材料を置いておくと、面接の入り口が楽になります。
Q. 前の応募で書いた内容と変えたほうがよいですか
変える必要はありません。趣味や特技は事実なので、応募先が変わっても同じで構いません。書き換えるのは志望動機のほうです。ただし、応募先の仕事と接点のある項目がある場合は、それを先に書く順番の入れ替えは有効です。
Q. 趣味と特技は分けて書きますか
欄が分かれていれば分けます。まとまっている場合は「趣味:〜/特技:〜」のように、1行ずつ書けば十分です。
Q. 趣味と特技が同じ内容になります
構いません。長く続けている趣味が、そのまま特技になっていることはよくあります。無理に別のものを探す必要はありません。
Q. 「特になし」と書くと落とされますか
それだけで落とされることはありませんが、欄がある以上、埋めておくほうが無難です。日常で続けていることを1つ書いてください。
Q. インドアな趣味だと不利ですか
不利にはなりません。内容より、続けていることと具体性です。読書やゲームでも、どう向き合っているかが書ければ十分に材料になります。
Q. ゲームと書いてもよいですか
構いません。ただし「毎日長時間やっている」といった書き方は避け、続けている期間や、チームで進めている場合の役割など、伝わる形にしてください。
Q. アニメや漫画は書けますか
書けます。作品名を並べるのではなく、どういう見方をしているか、どのくらい続けているかを添えると具体的になります。
Q. 資格を特技欄に書いてもよいですか
免許・資格欄に書いたものを繰り返す必要はありません。資格を使って続けている活動があれば、そちらを書いてください。
Q. 何行くらい書けばよいですか
欄の大きさによりますが、2〜3項目で欄の7割ほどが埋まる量が目安です。余白が目立つほど少なく、はみ出すほど多くならないようにします。
Q. 面接で趣味の話を長く振られました。どこまで話すべきですか
相手が興味を持って質問している場合は、そのまま答えて構いません。ただし、こちらから話を広げすぎないでください。趣味の話は本題ではありません。
Q. 家族との時間や子育てを書いてもよいですか
書けます。ただし、勤務条件の話と混ざらないようにしてください。働ける時間帯に制約がある場合は、本人希望記入欄に書きます。趣味の欄では、続けている活動として触れる程度にとどめます。
Q. 過去にやっていたが、今は続けていないものは書けますか
書けますが、その旨が分かるようにしてください。「学生時代に6年間続けていました」のように期間を明示すれば、現在の習慣と誤解されません。面接で「今も続けていますか」と聞かれる前提で書きます。
Q. 資格の勉強を「特技」に書くのは変ですか
変ではありません。継続していることが伝われば、この欄の役目は果たせます。すでに取得した資格は免許・資格欄に書き、こちらには学習を続けている習慣のほうを書いてください。
Q. 手書きの場合、この欄は何行くらい書きますか
欄の高さによりますが、2〜3行が目安です。1行しか書かないと余白が目立ち、詰め込むと読みにくくなります。先に鉛筆で薄く下書きして、行数を確かめてから清書してください。
Q. 応募先ごとに書き換えるべきですか
毎回変える必要はありません。ただし、応募先の仕事と明らかに接点のある趣味がある場合は、その項目を先に書く順番の入れ替えは有効です。