公開日:2026年9月9日
建設や土木の現場職では、採用側が最初に見る欄が他の職種と違います。経歴の長さより「明日から何を任せられるか」が知りたいので、資格と、できる作業が書けているかで判断されます。この2つを軸に、書き方を整理していきます。

読まれる順番が、他の職種と違います
建設・土木の現場職に応募するとき、採用側が最初に確認するのは免許・資格欄です。次に職歴欄で、どんな現場に、どのくらいの期間いたかを見ます。志望動機は、その後に読まれます。
理由ははっきりしていて、現場では「その作業に就ける状態か」が先に決まるからです。資格が要る作業に資格のない人を割り当てることはできません。だから、資格欄が空欄に近い履歴書と、修了している講習が並んでいる履歴書とでは、読まれ方がまったく違います。
だから、資格欄から書き始めます
上から順に埋めていくと、資格欄にたどり着くころには疲れています。先に資格欄を完成させてから、他の欄に戻るほうが、全体の出来がよくなります。
免許・資格欄
修了証・免許証を手元に出してから書きます
資格名は記憶で書かないでください。技能講習の修了証、免許証、合格証を実際に手元に並べ、そこに印字されている名称をそのまま書き写します。現場の資格は名称が似ているものが多く、記憶で書くと取り違えます。資格欄の一般的な書き方は免許・資格欄の書き方で解説しています。
あわせて、取得(修了)年月も券面で確認してください。履歴書には取得した順に、古いものから並べます。
正式名称で書きます
現場で使われている呼び方と、券面の正式名称は違います。
| 現場での呼び方 | 券面に近い書き方の例 |
|---|---|
| 玉掛け | 玉掛け技能講習修了 |
| フォークリフト | フォークリフト運転技能講習修了 |
| ユンボ、バックホウ | 車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習修了 |
| 高所作業車 | 高所作業車運転技能講習修了 |
| 足場 | 足場の組立て等作業主任者技能講習修了 |
| アーク溶接 | アーク溶接等特別教育修了 |
| 大型 | 大型自動車第一種運転免許 取得 |
この表は例です。券面の表記が優先です。同じ名前の講習でも、修了した年や実施機関によって表記が違うことがあります。必ず手元の券面に合わせてください。
技能講習と特別教育を混ぜないでください
現場の資格には、技能講習を修了したものと、特別教育を修了したものがあります。券面に「技能講習修了証」と書いてあるか、「特別教育修了証」と書いてあるかで、書き分けてください。採用側はここを見て、任せられる作業の範囲を判断します。まとめて「講習修了」と書くと、確認の手間をかけさせることになります。
書ききれないときの絞り方
資格が多い方は、欄に入りきらないことがあります。その場合は、応募先の仕事に近いものから書きます。順番は次のとおりです。
- 募集要項に名前が出ている資格
- その現場で使いそうな資格
- 自動車運転免許
- その他
入りきらない分は、職務経歴書を添えて一覧にするのがおすすめです。履歴書の欄で無理に小さく書くより読みやすくなります。職務経歴書の基本の型は職務経歴書の書き方で解説しています。
自動車運転免許は必ず書きます
現場への移動や資材の運搬があるため、運転免許の有無は必ず確認されます。種類(普通・準中型・中型・大型)と、取得年月を券面どおりに書いてください。持っていない場合は空欄にせず、他の資格を書いておきます。
職歴欄
会社名は正式名称、そのあとに「何をしていたか」
会社名だけを並べても、採用側には何ができる人か伝わりません。会社名の下または横に、担当していた工種を短く添えてください。
2020年 4月 株式会社○○建設 入社 土木部 道路改良工事の施工に従事 2023年 3月 一身上の都合により退職
「土木」「建築」だけでは範囲が広すぎます。道路、上下水道、造成、基礎、内装、外構、解体など、扱っていた工種の名前まで書くと、読む側が具体的に想像できます。
現場が細かく分かれている場合
短期の現場を数多く回っていた方は、1件ずつ書くと欄が足りません。在籍していた会社を単位にまとめ、その中で扱った工種を並べてください。
2021年 5月 ○○工業株式会社 入社 鉄筋工として、集合住宅・商業施設の基礎および躯体工事に従事 2024年 9月 一身上の都合により退職
日雇い・応援で入っていた期間
雇用契約のない応援や、ごく短期の就業を1件ずつ書く必要はありません。ただし数か月以上まとまった期間があるなら、空白のままにせず、まとめて書いておくほうが説明が省けます。書き方は、その期間に何をしていたかを1行で示す形で足ります。
職歴は省略できません
在籍していた会社を意図的に書かないのは避けてください。社会保険の記録や、前職への確認で分かることがあります。期間が短くても、書いたうえで説明するほうが安全です。
「できる作業」に翻訳します
現場職の履歴書でいちばん差が出るのが、ここです。経験を年数ではなく動作で書けているかどうかで、読み手の受け取り方が変わります。
| 伝わりにくい書き方 | 伝わる書き方 |
|---|---|
| 土木の経験が5年あります | 道路改良工事で、丁張り・掘削・埋戻しまで一通り担当していました |
| いろいろな現場に入りました | 集合住宅の基礎から躯体まで、鉄筋の加工と組立てを担当していました |
| 重機に乗れます | バックホウ(0.25〜0.45m³級)での掘削・積込みを日常的に行っていました |
| 安全に気をつけていました | 新規入場者教育とKY活動の実施側に立ち、朝礼での周知を担当していました |
使う欄は、志望動機の欄か、職歴欄の各社の下です。長く書く必要はありません。1社につき1〜2行で足ります。
志望動機
現場職の志望動機は、長さより続けられる理由が書いてあるかが見られます。採用側がいちばん避けたいのは、入ってすぐ辞められることだからです。
入れておくとよい3つの要素
- これまで何をしてきたか(1行)
- その経験が応募先のどの仕事につながるか(1〜2行)
- これからどうしたいか(1行。資格を取りたい、職長を目指したい、など)
道路改良工事を中心に5年間、掘削から埋戻しまで担当してきました。 御社が地域の道路維持を長く手がけていることを知り、これまでの経験を そのまま生かせると考えました。入社後は車両系建設機械の資格を追加し、 段取りまで任せていただける形を目指します。
未経験から応募する場合
経験がないことを謝る必要はありません。体力面の見通しと、続ける意思、資格を取る意欲の3つが書いてあれば足ります。前職が別業種でも、身体を動かす仕事だった、屋外の仕事だった、といった接点があれば書いてください。
学歴欄と、上のほうの欄
学歴は高校の入学から
高校の入学から書けば足ります。中学校は卒業のみを書く形が一般的です。学校名は正式名称で書き、「県立」「市立」を省略しないでください。工業高校で学科がある場合は、学科名まで書くと、応募先が背景を把握しやすくなります。
卒業年が思い出せない場合は、生年月日から逆算できます。早生まれの方は1年ずれるので、そこだけ注意してください。
連絡先は、日中つながるもの
現場に出ていると電話に出られない時間帯があります。本人希望記入欄に「日中は○時以降につながりやすいです」と添えておくと、行き違いが減ります。留守番電話を設定しておくのも有効です。
通勤時間の欄
厚生労働省の様式例には通勤時間の欄がありませんが、古い様式には残っていることがあります。欄があれば、自宅から会社(または事務所)までの片道の時間を書いてください。現場が日によって変わる職種なので、あくまで拠点までの時間で構いません。
本人希望記入欄
現場職では、この欄で先に伝えておくと後の行き違いが減ります。
- 通える範囲——自宅から通える現場の範囲、車での通勤の可否
- 宿泊を伴う現場——可能かどうか。難しい事情があるなら短く書く
- 勤務開始できる日——在職中なら「内定後1か月程度で退職手続きが可能です」など
希望がないなら「勤務地・職種ともに貴社規定に従います」で構いません。空欄にはしないでください。
職務経歴書を1枚添える
現場職では職務経歴書を求められないことも多いのですが、資格が多い方、扱った工種が広い方は、1枚添えると伝わり方が変わります。履歴書の狭い欄に押し込むより、はるかに読みやすくなるためです。
1枚に入れるもの
- 職務要約——何年、どの工種で、何を担当してきたか(3〜4行)
- 資格の一覧——券面の名称と取得年月を表で並べる
- 経験した工種——会社ごとに、扱った工事と担当作業
- 扱える機械・工具——重機の種類、機種の大きさの目安
書き方の例
【職務要約】 土木施工に8年間従事してきました。道路改良を中心に、掘削・埋戻し・ 路盤工まで担当し、直近3年はバックホウのオペレーターとして現場に入って います。玉掛け、車両系建設機械の技能講習を修了しています。
長く書く必要はありません。A4で1枚に収めることを優先してください。2枚になると、後半はほとんど読まれません。
面接で聞かれることと、書類をそろえる
書類が通ったあと、面接で聞かれることはだいたい決まっています。書類に書いたことと、面接で答えることがずれないよう、先に準備しておいてください。
| 聞かれること | 準備しておくこと |
|---|---|
| これまでどんな現場に入ったか | 工種と規模を具体的に言えるようにする |
| どの作業なら一人でできるか | できることとできないことを分けて答える |
| 前の会社を辞めた理由 | 人のせいにしない形で1〜2文にまとめる |
| 体力面・健康面 | 持病や制限があるなら、条件として先に伝える |
| いつから入れるか | 在職中なら、退職手続きにかかる期間の見通し |
| 通勤の手段 | 車の有無、通える範囲 |
「できません」と言えることが、信用になります
できない作業を「できます」と答えると、現場に入ってから困ります。できることとできないことを分けて答えられる人のほうが、任せる側は安心します。「今はここまでできます。この作業は経験がないので、教えていただければ覚えます」という答え方で構いません。
証明写真
現場職でも、証明写真はスーツで撮っておくのが無難です。作業着で撮る必要はありません。手元にスーツがなければ、襟付きの無地シャツでも問題になりにくい職種です。清潔感が整っていることのほうが効きます。
Rirekisyで作る場合
Rirekisyの履歴書は、厚生労働省の様式例に沿った「写真あり」「写真なし」「バイト用」の3種類から、出力する段階で切り替えられます。現場職への応募なら「写真あり」を選んでください。
免許・資格欄は名称と取得年月を組にして、行を追加しながら入力する形になっています。手元の修了証を並べて、上から順に入れていってください。学歴欄には入学・卒業年度の自動計算があるので、卒業年が思い出せないときに使えます。
証明写真は、撮った写真をアップロードして縦4:横3で切り出せます。スーツが手元にない場合は「AIで加工」で、濃紺のビジネススーツと白いシャツを着た状態に置き換え、背景を薄い水色の単色に変えられます。顔立ち・表情・髪型・肌の質感・体型は変えません。加工した写真と元の写真は見比べて選べます。
入力の途中で画面を閉じても内容はその端末に残るので、修了証を探しに行って戻ってきても、続きから書けます。
よくある質問
Q. 資格をひとつも持っていません。応募できますか
できます。未経験・無資格から採用し、入社後に講習を受けさせる会社は珍しくありません。志望動機で、資格を取る意思を書いておいてください。
Q. 修了証を紛失しました
実施した機関に再交付の相談ができる場合があります。手元に券面がない資格は、正確な名称が確認できるまで書かないほうが安全です。
Q. 資格が20個近くあります。全部書きますか
履歴書の欄に入る範囲で、応募先の仕事に近いものから書いてください。残りは職務経歴書に一覧で添えると読みやすくなります。
Q. 職歴が10社以上あります
省略はできません。1社1行にまとめ、それでも入らない場合は職務経歴書で補ってください。
Q. 前職を3か月で辞めています。書かないとまずいですか
書いてください。書かずに後から分かるほうが問題になります。理由は面接で説明できるよう準備しておきます。
Q. 「土工」と書くのと「作業員」と書くのでは、どちらがよいですか
どちらでも構いませんが、それだけでは範囲が伝わりません。担当していた工種を添えてください。
Q. 体力に自信があることを書きたいのですが
「体力には自信があります」だけでは根拠がありません。続けてきた年数や、屋外での経験を事実として書くほうが伝わります。
Q. 手書きとパソコン、どちらがよいですか
募集要項に指定がなければどちらでも構いません。資格が多い方は、行を調整できるパソコンのほうが収まりやすくなります。
Q. 職務経歴書も必要ですか
求められていなくても、資格や工種が多い方は添えたほうが伝わります。1枚にまとめれば十分です。
Q. 志望動機に「稼ぎたい」と書いてもよいですか
そのままでは動機として弱く見えます。長く続けたい理由や、身につけたい技能とあわせて書くと収まります。