在職中の転職は時間と連絡でつまずく 書類でできる根回し

公開日:2026年9月8日

在職中の転職活動でつまずくのは、書類の書き方そのものより、時間の制約と連絡の取りづらさです。書類の側で先に手を打っておくと、この2つはかなり軽くなります。職歴欄の書き方から、連絡の受け方、入社日の伝え方まで順に整理します。

在職中の応募は、不利ではありません

在職中であること自体が、選考で不利に働くことはありません。むしろ、収入が途切れていない状態での応募は、判断に余裕があると見られることもあります。気をつけるのは、進め方のほうです。連絡がつかない、面接の日程が合わない、入社日が読めない。この3つが重なると、選考が止まります。

先に決めておくこと

  • 連絡がつく時間帯(昼休み、就業後など)
  • 面接に充てられる曜日と時間
  • 退職を申し出てから、実際に退職できるまでの見込み

この3つが決まっていれば、書類にも面接にも一貫した答えが書けます。

職歴欄は「現在に至る」で締めます

書き方

在職中の会社は、入社の行を書いたあと、次の行に「現在に至る」と書きます。そのさらに次の行に、右寄せで「以上」と書きます。

令和4年4月 株式会社○○ 入社
       営業部にて法人向けの提案営業を担当
       現在に至る
                           以上

退職日が決まっている場合

すでに退職日が確定している場合は、その旨を添えられます。応募先にとっては、いつから働けるかが分かる情報になります。

令和4年4月 株式会社○○ 入社
       現在に至る(令和8年11月30日 退職予定)
                           以上

決まっていない場合は書きません

まだ退職を申し出ていない段階で「○月退職予定」と書くと、その日付が約束として扱われます。確定していない日付は書かないでください。入社可能な時期は、面接で口頭で伝えます。

連絡先の書き方

電話番号は携帯電話にします

勤務先の電話番号は書きません。会社の電話に応募先から着信があると、転職活動が知られる原因になります。携帯電話の番号を書いてください。

メールアドレスは個人のものを使います

勤務先から支給されたメールアドレスは使わないでください。会社の設備を私的に使うことになり、退職後は受信できなくなります。応募のために新しく作る場合は、氏名が分かる程度のアドレスにします。

連絡がつく時間は、本人希望記入欄に書けます

日中に電話に出られない場合、その旨を本人希望記入欄に書いておくと、行き違いが減ります。この欄の書き方は本人希望記入欄の書き方で解説しています。

在職中のため、平日9時から18時は電話に出られないことがあります。留守番電話にご用件をいただければ、当日中に折り返しご連絡いたします。

ここに書くのは事実の制約で、希望条件を並べる欄ではありません。長く書かず、2行程度にまとめてください。

面接日程の調整

候補は3つ以上、幅を持たせて出します

「土曜のみ」「19時以降のみ」と限定すると、調整が難しくなります。有給休暇を使える日、半休が取れる日、就業後に間に合う時間帯を組み合わせて、複数の候補を出してください。

お忙しいところ恐れ入ります。下記の日程で伺うことが可能です。

・9月12日(金)18時以降
・9月16日(火)終日
・9月18日(木)15時以降

ご都合のよい日時をお知らせいただけますと幸いです。

返信は早く、簡潔に

日程調整の連絡は、確認できた時点で早めに返してください。返信が遅いと、他の候補者との調整が先に進みます。在職中であることを理由に長く待たせないほうが、印象としても安全です。

オンライン面接が使える場合があります

一次面接をオンラインで実施している応募先もあります。移動時間が不要になるため、就業後の時間帯でも対応しやすくなります。日程が合わない場合は、可能かどうかを尋ねてみてください。

志望動機は、現職を否定せずに書きます

在職中だからこそ問われること

退職してからの応募と違い、在職中の応募では「いま働けているのに、なぜ変えるのか」が必ず問われます。ここで現職の不満だけを並べると、次も同じ理由で辞めると読まれます。現職で得たものを認めたうえで、そこでは実現できないことを書いてください。

現職では受注後の進行管理を担当し、社内の調整を進める力を身につけました。一方で、提案の段階から関わる機会がなく、お客様の課題に対して打ち手を考える仕事に携わりたいと考えるようになりました。貴社の募集は提案から納品までを一貫して担当する体制であり、これまでの経験を土台にしながら、前工程に踏み込めると考えております。

「今すぐ辞めたい」を書かないでください

切迫した事情があっても、書類でそれを伝える必要はありません。応募先が知りたいのは、入社後に続けて働けるかどうかです。焦りが見える書類は、条件を選ばずに応募していると受け取られます。

現職の情報を、どこまで書けるか

書けるもの・書かないもの

内容扱い
担当した業務・役割書ける
自分が関わった範囲の実績書ける(表現の粒度に注意)
公表されている売上・店舗数書ける
未公表の売上・原価・利益率書かない
取引先が特定できる情報書かない(業種と規模で表す)
開発中の製品・未発表の計画書かない

ぼかし方の例

数字を出せない場合でも、規模の感覚は伝えられます。「大手食品メーカー向け」「従業員300名規模の製造業」「年間120件の対応」のように、相手が特定されない形で大きさを示してください。守秘に触れる情報をそのまま書くと、応募先からも情報の扱いが甘い人と見られます。

現職への配慮

就業時間中の活動は避けます

勤務中に応募先とやり取りをすると、現職での信頼を損ないます。昼休みや就業後、休暇の日に行ってください。会社のパソコンで書類を作るのも避けます。

共用の端末を使うとき

自宅に環境がなく、ネットカフェや共用のパソコンで作業する場合は、入力した内容を端末に残さないようにしてください。Rirekisyでは、入力内容を端末から削除するボタンを用意しています。作業のあとに必ず消してください。

同僚に話さない

転職活動の話は、伝わる範囲が思ったより広くなります。退職の意思が固まる前に社内で知られると、働きにくくなるだけでなく、引き継ぎの計画も立てにくくなります。

入社可能日の伝え方

逆算して答えます

面接では「いつから勤務できますか」と必ず聞かれます。ここで曖昧に答えると、選考が進みにくくなります。次のように逆算して伝えてください。

要素目安
退職の申し出から退職日まで就業規則で定められた期間(1か月前が多い)
引き継ぎ担当業務の量による(2週間〜1か月)
有給休暇の消化残日数による
内定をいただいてから退職を申し出る予定です。就業規則では1か月前の申し出となっており、引き継ぎを含めておよそ1か月半後からの勤務が可能です。

「すぐに入社できます」と言わないでください

在職中であれば、引き継ぎなしで辞められることはまずありません。無理な日程を答えると、入社日の調整で信用を失います。正直に見込みを伝えるほうが、結果的に信頼されます。

退職の申し出は、内定が出てからです

順番を逆にしないでください

先に退職してしまうと、収入が途切れた状態で活動することになり、条件の判断が焦りに影響します。内定と条件の提示を受けてから、退職を申し出るのが基本です。

就業規則を先に確認します

退職の申し出から退職日までの期間は、就業規則で定められています。1か月前としている会社が多いものの、2か月前としている場合もあります。面接で入社日を答える前に、確認しておいてください。

引き継ぎの計画を先に作ります

担当業務を一覧にし、誰に何を渡すかを整理しておくと、退職の申し出から実際の退職までが短くなります。この一覧は、職務経歴書を書くときの材料にもなります。

書類を準備する時間の作り方

事実の部分を先に片付けます

学歴・職歴・資格といった事実の部分は、一度作れば応募先が変わっても使えます。まとまった時間が取れるときにここを終わらせておくと、応募のたびに必要なのは志望動機の作成だけになります。

1社あたりの作業を分解します

作業目安いつやるか
求人票を読む10分通勤時間
志望動機を書く15〜30分就業後
書類を出力して確認する10分就業後
提出5分随時

まとまった時間が取れなくても、この単位に分ければ進められます。

Rirekisyで作る場合

Rirekisyでは、入力内容がブラウザに残るため、途中で閉じても続きから再開できます。在職中で作業時間を細切れにしか取れない場合、この形が向きます。

職歴の入力では、在職中の会社に「現在に至る」を入れて締められます。基本情報や学歴・職歴は職務経歴書にも引き継がれるため、2枚目を作るときに同じ内容を打ち直す必要がありません。

共用の端末で作業した場合は、端末からデータを削除するボタンで入力内容を消してから離れてください。

よくある質問

Q. 退職後に応募するのと、在職中に応募するのとでは、書類の書き方は変わりますか

変わるのは職歴欄の締め方だけです。在職中は「現在に至る」で締め、退職後は最後の退職の行で終えます。志望動機や自己PRの書き方に違いはありません。ただし在職中の場合、入社可能日を聞かれる前提で、就業規則の定めと引き継ぎの見込みを先に確認しておいてください。ここが曖昧なままだと、選考の終盤で日程の調整に時間がかかります。

Q. 応募書類の準備で、最初にやることは何ですか

職歴の事実を確定させることです。会社の正式名称、入社と退社の年月、担当した業務。この3点を一覧にしておけば、以降はどの応募先にも使い回せます。文章から書き始めると、途中で調べ物が入って手が止まります。

Q. 在職中であることは、履歴書のどこで分かりますか

職歴欄の最後が「現在に至る」で終わっていれば、在職中であることが分かります。別に書き添える必要はありません。

Q. 退職予定日を書いたほうが有利ですか

確定しているなら書いて構いません。確定していない日付は書かないでください。約束として扱われます。

Q. 「現在に至る」の代わりに「在職中」と書いてもよいですか

意味は通じますが、「現在に至る」が一般的です。1枚の中で表現を統一してください。

Q. 応募先に、現職への連絡を止めてもらえますか

在籍確認が必要な場合でも、事前に相談すれば時期や方法を調整してもらえることがあります。内定前に現職へ連絡が入ることは通常ありませんが、不安であれば面接時に確認してください。

Q. 面接の日程が、平日の日中しか提示されません

有給休暇や半休を使うのが一般的です。どうしても難しい場合は、オンラインでの実施が可能かを尋ねてみてください。

Q. 有給休暇を面接に使ってもよいですか

有給休暇の使い道を会社に申告する義務はありません。理由を細かく説明する必要はありません。

Q. 内定が出ましたが、退職交渉が長引きそうです

分かった時点で、応募先に見込みを伝えてください。連絡がないまま入社日が延びるほうが、信頼を損ないます。

Q. 在職中に、複数の会社を同時に受けてもよいですか

問題ありません。ただし面接の日程が重なりやすいため、候補日の管理はしておいてください。

Q. 職務経歴書に、現職の実績を書いてもよいですか

書けます。ただし、社外に出せない数字や、取引先が特定できる情報は避けてください。「大手小売業向け」のように、業種と規模で表す方法があります。

Q. 面接の服装で、転職活動が同僚に気づかれそうです

就業後に面接がある日は、着替えの場所を先に決めておくと動きやすくなります。普段からスーツで勤務している職場であれば、そのまま向かって問題ありません。私服の職場では、当日の荷物が増えないよう、面接会場の近くで着替えられる場所を確認しておいてください。

Q. 書類の作成が、どうしても夜中になります

時間帯そのものは問題になりません。ただし、深夜に書いた志望動機は、翌日に読み返してから提出してください。疲れた状態で書いた文章は、論理が飛んでいることがあります。作成と提出を別の日に分けるだけで、誤字と言い回しの不備はかなり減ります。

Q. 在職中と伝えると、選考のスピードが落ちませんか

落ちることはあります。ただし、それは在職中だからではなく、日程調整に時間がかかるためです。候補日を早めに、幅を持たせて出せば、この遅れはほとんど解消できます。

Q. 現職の繁忙期と重なっています。応募を待つべきですか

募集は待ってくれません。応募だけ先に進め、面接の日程で調整するほうが現実的です。ただし、入社可能日は繁忙期と引き継ぎを見込んだうえで答えてください。

Q. 転職活動をしていることが現職に知られてしまいました

まず、退職の意思が固まっているかを整理してください。固まっているなら、就業規則に沿って正式に申し出るほうが、宙ぶらりんの状態を続けるより働きやすくなります。

ほかのコラム

制作プロデューサーの職務経歴書 示すのは動かした規模 プロデューサー職の職務経歴書で見せるのは、作った物ではなく、動かした規模と着地させた過程です!予算・体制・期間の3つを数字にすれば形になります。本コラムでは案件一覧の作り方から、外注管理や守秘の線引きまで解説します。 履歴書用の証明写真をスマホで撮影する方法 スマートフォンで撮った写真も、条件さえ整えば履歴書の証明写真に使えます!うまく撮れない原因は撮り方ではなく、たいてい場所選びです。本コラムでは壁と光の選び方から、カメラの高さと距離、切り出しの比率まで解説します。 履歴書の証明写真のサイズは?縦4cm×横3cmで顔は7割 履歴書の証明写真のサイズは縦4cm×横3cmですが、困るのは寸法より、枠のなかで顔をどのくらいの大きさにするかです!頭からあごまでが縦の7割前後なら十分です。本コラムでは枠に合わないときの直し方と、データで出すときの目安を解説します。 履歴書用の証明写真を使い回すなら3か月が目安!条件を解説 履歴書の証明写真は、複数の応募先に使い回して構いません!撮影から3か月以内が目安ですが、見ているのは日付ではなく、今の自分と見た目が一致しているかです。本コラムでは撮り直しが必要になる変化や、余った写真の保管まで解説します。 履歴書の証明写真の服装は?スーツが基本で私服は条件つき 履歴書の証明写真の服装に決まりはなく、応募先が受け取る印象の問題です!基本はスーツですが、アルバイトや「服装自由」の応募なら普段着でも構いません。本コラムでは襟や色など私服で撮るときの条件から、写らない部分の注意点まで解説します。 履歴書の証明写真の背景は単色の淡い色(白・水色・グレー) 履歴書の証明写真の背景色に、応募先が指定する決まりはほとんどありません!迷ったら白を選べば、どの応募先でも問題になりません。本コラムでは白・薄い水色・薄いグレーの選び分けから、自宅で背景を作る手順、影を消す立ち位置まで解説します。

コラム編集方針

履歴書の作成をはじめる